懐かしく愛おしいレトロホラー

昭和初期の空気を切り取った怪異譚たち。
彼らは相応に不気味でありながら、どこか切ない佇まいです。

怪異の解決に乗り出すダメ男コンビ+αがこれまた、実に宜しい。
繊細ながら図太くもある大久保は、理想的な語り手でありましょう。
関が登場すると待ってましたと言いたくなります。解決(物理)。

軽妙な会話、上品な文章、美しい習俗も楽しめる大変お得な作品です。
多少の嫉妬も含みつつ、黄昏を愛するすべての人に心からオススメ。

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