正統派の村の伝承系ホラーかと思ったらいきなりの飯テロ。じわりと怖く、最後まで美味しそうでした。フグいいなあ。
幽霊的な怖さというより、人間の怖さを描いた物語です。女将の人の悪さが出てオススメです!w
まずは飯テロ「くそう美味そうじゃないか」→そして言い伝え「ああうん、よくありそうな話だよね」→最後「!?」ってなる作品。フグを食べているシーンが本当に美味しそうだ。熱いご飯と一緒にはふはふしながら食べたい。夕食はフグとはいかないまでも、刺身で決まりだな。
フグって、あの一匹の魚を刺身にしたり鍋にしたりヒレ酒にしたりと、いろんな楽しみ方があるよね。それを持ってくるのは、ちょっとずるい。お腹がへる。昔の食べ方をさらっと見せてくれるのも、興味深い。 前半は村を襲う化物の話。 後半は、その昔話を語る小料理屋の話。 どっちも、これでもかとフグを食べ尽くす描写があり、そこに生きる人間のドラマがあり、ちゃんとオチもある。 でもやっぱ、心に残るのは、フグのおいしさ。人間は恐怖よりも食欲の方が強いのか。フグが食べたくなったら、また読みに来よう。
ホラーということで、そのつもりで読んでいくと、フグが食べたくなること間違いなし!(あれ?このあたりの描写、引き込まれます。そして、1から2にかけて「!?」な構成の妙に驚き、一気に結末へとなだれ込む。面白いです。ぜひ、お読みください。
短編ながら、実にドラマティックなホラー。そしてホラーではありますが、ゾッと、よりも、ニヤリとさせてくれる素晴らしい作品です。とにかく、文章が美しい。アッと言う間の感情移入。旨い酒を旨い肴で味わっていると、女将が語り始めるわけで。構成も素晴らしく、ストーリーも面白く。そして最後にはゾクリ、ニヤリ。是非、この面白さと美しい文章を皆様に味わっていただきたい。
タグに「ホラー」、読み始めすぐに「フグ」が出てくるので、あ!毒。と思い、今か今かと読み進めていくのですが、話は全く違うところに。それどころか「怪物」の話。いったいどんなラストになるのか……。全く想像できませんでした。それからフグの刺身の描写がとてもリアルで、食欲をそそります。謎を解明するかのようにドキドキしながら読むことができます。