第二章まで読み終わりました。

序章の文章力の高さと、街中で大暴れするような展開に期待して読むと肩透かしを食らった様な気分になります。が読み進めていくとこれはこれで面白い。

第一章の主人公の面白おかしい語り口が徐々に暗くなっていき、陰鬱な『ペルソナ殺し』に至るまでの流れが好きでした。
特に主人公のアバターが自殺する理由が明かされるくだり、安藤さんの本心や脳内にあるものが埋め込まれていたと判明する下りは驚きました。
（他にも尻から入るアバターとか）
第一章も第二章もラスボス（？）戦う相手が安藤さんなのは意外でした。

個人的には圧倒的存在感のある文芸部のダナオンこと多々良田さんが好きでした。

短編と長編が織り成す一大青春巨編。
学友達とバカやりながらも奇妙、怪奇に挑んでいく。
仮想ヒーローを演じる主人公に待っている未来は光か闇か。
クリムジェニオン、熱い物語です。

第一章を読み終わった時点では、これはいかにも熱き青春とその影にあるもう一つの青春の物語である。
主人公と悪友たちがつるみ、そしていくつかの出来事の後、改奇倶楽部という集まりとなり活動する。
秘めた熱さとパロディ的な雑談と若者特有の鬱屈の混ざった、日常。
そしてヒロインと主人公との奇妙な約束。
それだけなら普通の青春ストーリーだが、肝は序章にある。
そこに描かれるのは学園生活とはまったく異なる、あるヒーローの戦い。
それがどうやって結びついていくのか、そこに興味が惹かれる。