概要
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!完成度が高すぎて、ちょっと……いや、凄く驚かされました!
まず率直に……すっごく面白かったです。
キャラクター造形、世界設計、謎の提示と伏線回収、長編としての構成、芯たるテーマの通し方……全てが高いレベルにあると感じます。
ホント、ちょっと驚くくらいの満足度でした。
ハイファンタジーが好きなみんなにオススメしたいなぁ、この作品。
……と、そのうえで。
野暮を承知で、ビジネスとしての編集目線で申し上げるなら。
この完成度をできる限り維持しつつ(商業100%の思考なら、損なってでも)、「5秒で通りすがりの読者の目を引けるような、何か」を設定できると、より裾野の広い作品になるのかな、と思います! - ★★★ Excellent!!!物語は加速に加速を重ね、そして"果て"へと到達する
手が止まらなかった。と言えば、言い過ぎに聞こえるだろうか。
ファンタジーに慣れた者なら、洪水のように流れ込む用語の数々に混乱することもなく、またベタな要素に笑みを浮かべることもなく、素直に読み進めることができるのだろう。恥ずかしながら私はその手のファンタジーに不慣れだったため、設定を把握するのに四苦八苦する無様を晒していた――序盤は。
四章に区切られた本編。内初めの三章は、終盤へと進んでいくにつれ加速を始める。怒涛の展開に次から次へと明かされる秘密、そして新たに生まれる謎。きっと一章を読み終えた時、読者は誰もが同じ実感を持っていることだろう。しかし真に驚くべきは、その加速が三章に通じてさら…続きを読む - ★★★ Excellent!!!まず世界には謎がある。“果ての壁”、“地下10階の大図書館”。
まず世界には謎がある。
それを紐解く旅に出るのが読書だと思う。
ゲーム実況のような、誰かにエスコートされて物語世界を楽しむのが、今や悲しいことに一般的で、“謎”は鳴りを潜め、“不思議”は息を殺している。
だが、ここには謎が、不思議が、昔のままに息づいている。
読み進めれば読み進めるほど、謎が謎を呼んで、世界がどんどん深まっていく。
──まるで、地下10階へと続く大図書館のように。
エスコートしてくれる相手は必要ない。
なぜなら、主人公が、ヒロインが、あなたと一緒に旅に出てくれるから。
読書って本来、孤独を愛する人のためのものだと思う。
……あ、それと、キャロラインはでたらめ敬語…続きを読む - ★★★ Excellent!!!主人公と、共に歩めるファンタジー
主人公ノルド君は、「壁の向こう」を目指します。
それは、「ファンタジー」を追い求める私達と重なります。
向こうにあるものは何だろう?どんなものが待っているんだろう?
ファンタジーが好きな人なら、ノルド君を他人とは思えないでしょう。
そして、彼の冒険は、読者の冒険ともなっていく。
其れ程までに、主人公へ感情移入でき、主人公に共感し、主人公を想うことができる作品です。
作中では、一般的な異世界ファンタジーとは違った、本来ファンタジーでは出ないような世界が広がっています。
しかし、「主人公に感情移入している読者」として見るからこそ、この世界観が「異質であり、不思議な世界」となり、ファンタジーを際立…続きを読む - ★★★ Excellent!!!世界観に引きこまれ楽しく読めるファンタジー
少しの寂しさと未来へ向かう力強さと爽やかさ、これがこの物語を読み終わった読後感です。
少しずつ明かされる歴史や真実にああ……と思いながら面白く引き込まれました。
ラストは柔らかな陽ざしと風の暖かさを感じられて好きです。
居なくなった彼のことは残念だけど、彼の本当に望んでいたことはいずれ叶うと信じたい。
多分それは三界で真実を知り前を向いて歩く人達すべてが望むことだと思うから。
立場の違いやこれまでの歴史から簡単に争いはなくならないだろうけど、すべての種族が知らず食卓を囲んだあのシーンのようにお互いが思いやれる存在だってことに人々がいつか気づければいいけど。
次世代の彼らには幸せになりつつ頑…続きを読む - ★★★ Excellent!!!知ること、天使、人間、そして生き地獄。
果たして壁の向こうにはなにがあるのか。
「知ること」に対する主人公ノルドの知的好奇心の強さは読者と共鳴し、先を読みたいという気持ちを強くします。主人公のみが興味を示す膨大な閉架を持つ大図書館を探検する、読書が好きな方なら琴線に触れる設定ではないでしょうか。
作中における魔術と方術に対する説明も違和感なく脳にスッと入ってきます、世界設定なども全体を通して読みやすいです。
一章では閉ざされた世界における静かな空気感が魅力的です、二章では世界観や空気感がガラッと変わります、是非その目で確かめてください。
天界とは、そしてプロローグの少女が語る生き地獄とは。この世界の全容を把握するまでは目が離せませ…続きを読む