知ること、天使、人間、そして生き地獄。

果たして壁の向こうにはなにがあるのか。
「知ること」に対する主人公ノルドの知的好奇心の強さは読者と共鳴し、先を読みたいという気持ちを強くします。主人公のみが興味を示す膨大な閉架を持つ大図書館を探検する、読書が好きな方なら琴線に触れる設定ではないでしょうか。
作中における魔術と方術に対する説明も違和感なく脳にスッと入ってきます、世界設定なども全体を通して読みやすいです。
一章では閉ざされた世界における静かな空気感が魅力的です、二章では世界観や空気感がガラッと変わります、是非その目で確かめてください。
天界とは、そしてプロローグの少女が語る生き地獄とは。この世界の全容を把握するまでは目が離せません。

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