世界観の設定が実に細やかだ読み終わった時に感じた一番の印象はこれだった。物語が進むにつれ徐々に強く濃くなっていく世界観は意外性もあり、ストーリーの先を強く期待させてくれた。世界観での意外性だけでなくストーリーでは王道的な部分もしっかり押さえてあり、読み手側としては実に安心できる。世界観のスケールは大きい方が好きという方には特にお薦めできる内容。是非ご一読を。
文章は穏やかで、かつ精緻。読みやすく、言葉の選びも美しく、テンポもいい。なによりも展開が素晴らしい。驚きの連続足るそれをここに書きだしてしまうと悪質なスポイルになってしまいかねないが、ゆめゆめた…続きを読む
手が止まらなかった。と言えば、言い過ぎに聞こえるだろうか。ファンタジーに慣れた者なら、洪水のように流れ込む用語の数々に混乱することもなく、またベタな要素に笑みを浮かべることもなく、素直に読み進め…続きを読む
まず感じるのは、主人公周辺がとても閉鎖的であるということです。『果ての壁』はもちろん、街の人々の冷たさは、主人公の生活の閉塞感をよく表しています。個人的に一番象徴的だと思ったのは、広大で多量…続きを読む
壁に囲まれた閉鎖的な街で、壁の向こうに疑問も興味も抱かずに暮らす人々の中、外に関心を示す主人公ノルド。彼の好奇心は現代人である我々には当然のように感じると思うのですが、前述の通り彼の周囲にはそうい…続きを読む
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