壁の向こう側には、一体何があるのか?

この作品では、あらすじにも書かれている通り、主人公の少年ノルドの住むメイリベルの町は『果ての壁』と呼ばれる壁で覆われている。
何故『果ての壁』というものが存在しているのか?誰が作ったものなのか?向こう側には何があるのか?
町に住む者ならば理由を知っていて当然、知らずとも疑問を抱く位は自然といった所……にも関わらず、誰一人理由を知らず、ノルド以外はそれを考えもせず、知ろうともしない。
読み進めていくと、読者である我々もまた、当然、それらの疑問の答えを知りたくなってくる。
まるで自身がノルド少年であるかのような感覚を味わえる。何故、誰もこれらの疑問の答えを知りたいと思わないんだろうか?
これは、この作品の世界に引き込まれているからに他ならないだろう。
探究心と好奇心に満ちたノルド少年は、私たち読者の写し身とも言えるのかもしれない。
壁の向こう側に何があるのか……?ノルド少年と共に知っていきたい、無数にある謎の答えを知りたい、続きが読みたい、と思える作品であると、私は評させていただきます。

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