現時点では未だ全容が見えない世界を、壁の内側、外側から主人公を通して共に解き明かしていく感覚が面白い。流麗な文章でありながら口当たりは決して甘くない、そこに惹かれます。戦う少女をこよなく愛する私はヴァネッサちゃん、ど真ん中に刺さりました。
まず率直に……すっごく面白かったです。キャラクター造形、世界設計、謎の提示と伏線回収、長編としての構成、芯たるテーマの通し方……全てが高いレベルにあると感じます。ホント、ちょっと驚くくらいの満足…続きを読む
よく練られ確立された世界観である一方で、其処に住まう人々の思考は普遍的。キャラクターの感情も行動も、納得できるものばかりで感情移入がしやすく、独特の世界観、予測のつかない展開のなかでも、すらすら…続きを読む
まず感じるのは、主人公周辺がとても閉鎖的であるということです。『果ての壁』はもちろん、街の人々の冷たさは、主人公の生活の閉塞感をよく表しています。個人的に一番象徴的だと思ったのは、広大で多量…続きを読む
壁に囲まれた閉鎖的な街で、壁の向こうに疑問も興味も抱かずに暮らす人々の中、外に関心を示す主人公ノルド。彼の好奇心は現代人である我々には当然のように感じると思うのですが、前述の通り彼の周囲にはそうい…続きを読む
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