まず世界には謎がある。“果ての壁”、“地下10階の大図書館”。

まず世界には謎がある。
それを紐解く旅に出るのが読書だと思う。

ゲーム実況のような、誰かにエスコートされて物語世界を楽しむのが、今や悲しいことに一般的で、“謎”は鳴りを潜め、“不思議”は息を殺している。

だが、ここには謎が、不思議が、昔のままに息づいている。
読み進めれば読み進めるほど、謎が謎を呼んで、世界がどんどん深まっていく。
──まるで、地下10階へと続く大図書館のように。

エスコートしてくれる相手は必要ない。
なぜなら、主人公が、ヒロインが、あなたと一緒に旅に出てくれるから。

読書って本来、孤独を愛する人のためのものだと思う。



……あ、それと、キャロラインはでたらめ敬語かわいいです。

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