子供のまま、大人になってしまいました。

第39話 自分らしさとは何か

「自分らしく生きる」という言葉をよく耳にするけれど、「自分らしさ」とは何なのだろう？

私は長い間、この問いに悩んできた。周囲と同じように振る舞おうとする中で、自分が何を感じ、何を大切にしているのかがわからなくなっていた。誰かに合わせることが「普通」であり、それが「正しいこと」だと思い込んでいたからだ。

でも、そんなふうに自分を押し殺して生きていると、どこかで心が疲れてしまう。自分が何を求めているのかもわからず、ただ日々をこなすだけになってしまう。そしてあるとき、「これでいいのだろうか」と立ち止まらざるを得なくなる。

最近、私は少しずつ「自分らしさ」を探し始めている。それは、他人の期待や価値観に縛られるのではなく、自分が本当に心地よいと感じる選択をすることだ。

たとえば、誰かと過ごす時間を楽しむ一方で、一人の時間も大切にすること。無理に社交的でいようとせず、自分のペースで人と付き合うこと。好きなことに没頭する時間を持つこと。それが私にとっての「自分らしさ」だと感じるようになった。

でも、自分らしく生きることは、時に勇気が必要だ。他人から「変わっているね」と言われることもあるし、「もっと普通にしたら？」とアドバイスされることもある。それでも、自分の心が納得する選択をすることで、少しずつ生きやすさを感じられるようになる。

自分らしさとは、自分の感性や価値観に正直でいること。そして、その自分を大切にすることだと思う。誰かと違っていても、それが「私らしい」と感じられるなら、それで十分なのだ。

もちろん、まだ完全に自分らしさを見つけられたわけではない。これからも迷うことや悩むことはあるだろう。でも、その過程を通じて、少しずつ自分にとっての「自分らしさ」を形作っていきたいと思う。

自分らしく生きることは簡単ではない。それでも、その選択をし続けることで、私たちは本当の意味で「自分の人生」を歩むことができるのだと思う。

「自分らしさとは何か」――その問いを忘れずに、これからも探し続けていきたい。そして、その答えを見つけることで、もっと自分を好きになれる日が来ると信じている。