第13話 趣味が心の支えになる瞬間

日常の中でふと心が疲れることがある。仕事や人間関係、終わりの見えない家事――そんな日々の繰り返しの中で、「もう無理だ」と思う瞬間が訪れる。そんなとき、私を救ってくれるのが趣味だ。


趣味といっても、特別なことではない。本を読んだり、昔ながらの喫茶店に行ったり、趣味で手を動かして作ったりする。けれど、その何気ない時間が、私にとっては「心をリセットする時間」になる。


たとえば、本を読むとき。ページをめくりながら物語に没頭すると、現実の悩みが一瞬だけ遠のいていく。登場人物たちの感情に寄り添ったり、知らない世界に触れたりすることで、自分の心がふわっと軽くなるのだ。


また、喫茶店で過ごす時間も同じだ。古びた木の椅子、レトロな音楽、漂うコーヒーの香り――そうした環境の中に身を置くだけで、疲れた心がゆっくりと癒されていく。喧騒から離れて一人の時間を持つことで、自分を取り戻せる気がする。


趣味が心の支えになる瞬間は、まさにこうした些細なときだと思う。趣味そのものが何かを変えるわけではないけれど、趣味を楽しむ時間が私に「少しの余白」を与えてくれる。その余白があるからこそ、また前に進むエネルギーを持つことができるのだ。


でも、私の趣味はどちらかというと「地味」なものが多い。それに対して、「もっとアウトドアな趣味を持ったら?」と言われたこともある。けれど、私にとって趣味は「他人に評価されるもの」ではなく、「自分が心から楽しめるもの」であるべきだと思う。


趣味を楽しむ時間は、心を整えるための大切な時間だ。そして、その時間があるからこそ、私は自分らしく生きることができるのだと思う。


趣味が心の支えになる瞬間――それは、自分の感情や心に向き合い、リセットするための大切なひとときだ。これからも、そんな時間を大切にしていきたいと思う。


趣味がどんな形であれ、それが自分にとって意味のあるものであるなら、それで十分。私たちの心は、それをちゃんと知っている。

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