第6話 生活が「無秩序」だと言われる理由

「君の生活、なんだか無秩序だね」

そんな言葉を投げかけられたことがある。言った本人に悪意はなかったのだろう。ただ、私の心にはその言葉が深く刺さった。無秩序――まるで、私がだらしない人間であると断定されたような気がしたからだ。


実際、私は規則正しい生活が苦手だ。決まった時間に起きて、決まった時間に食事をして、きちんとスケジュールを組む――それができる人を尊敬するけれど、私にはどうしても無理だった。


たとえば、ある日の朝、目覚めると急に部屋の片づけをしたくなる。でも、その片づけを始めると今度は本棚の並べ替えが気になり、気づけば数時間が経過。朝ごはんも食べていないまま昼過ぎになり、予定していた他のことがすべて後回しになる。


その一方で、別の日には何も手をつけられず、ただぼんやりと過ごしてしまう日もある。こうした「ムラ」のある生活を続けていると、周囲からは「計画性がない」「だらしない」と見られることが多い。


でも、私はその「無秩序」の中に、自分らしさがあるような気もしている。


決められたルールや型にはまるのが苦手な私は、感情のままに行動することが多い。その結果、何かに没頭する瞬間や、予期しなかった楽しさに出会えることもある。無秩序な生活は、確かに効率的ではないかもしれない。でも、その中には自由と創造性が詰まっているように感じる。


「無秩序」は悪いことだろうか。確かに、社会の中では規則正しい生活が求められることが多い。でも、無秩序な生活の中にも自分なりのリズムやペースがある。それを無理に変えようとすると、逆に息苦しくなってしまうのだ。


もちろん、全てを自分のペースで進められるわけではない。社会のルールに合わせなければいけない部分もある。それでも、私の「無秩序」を完全に否定するのではなく、それを受け入れながら生きる方法を探していきたいと思う。


生活が無秩序だと言われる理由――それは、私が型にはまることよりも、自分の感覚に従うことを大切にしているからだ。これからも、その「無秩序」を活かしながら、自分なりのペースで進んでいこうと思う。


たとえそれが、少し不器用に見えたとしても。

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