第5話 どうしてこんなに不安定?

私の心はいつも揺れている。朝起きたときは晴れやかな気分だったのに、昼には何かが引っかかってもやもやし、夜になるころにはそのもやもやが大きく膨らんでいる。こうした感情の波に、私はしばしば疲れてしまう。


「どうしてそんなに不安定なの?」

そう聞かれることがある。自分でも答えはわからない。ただ、周囲が見過ごしてしまうような小さなことが、私の心には大きな影響を与えることがあるのだ。


たとえば、誰かが発した些細な一言。相手に悪意はないとわかっていても、その言葉がぐさりと刺さることがある。「もっと気楽に考えればいいのに」と頭では思うのに、心はそれを受け入れられない。そして、自分の心が不安定であること自体を責めてしまう。


「こんなことで悩むなんて、自分は弱いのかもしれない」

「他の人みたいに、感情をコントロールできるようになりたい」


そんなふうに思うたび、さらに自分を追い詰めてしまう。でも最近、私は少しだけ考え方を変えるようにしている。


心が不安定であるということは、それだけ多くのものを感じ取っている証拠なのかもしれない。些細な言葉や出来事に影響を受けるということは、私が周囲の変化に敏感であるということ。それを「弱さ」と捉える必要はないのかもしれない。


確かに、不安定な心は生きづらい。感情の波に振り回されて、疲れてしまうこともある。でもその一方で、不安定だからこそ気づけることもある。誰かの微妙な表情の変化や、周囲の空気の小さな変化――それを察知する力は、私が持つ「敏感さ」から来ているものだ。


不安定な自分を受け入れることは簡単ではない。それでも、自分を否定し続けるのではなく、「これが私なんだ」と認めることで、少しずつ楽になれる気がする。


不安定であることは、欠点ではない。それは、私の感情が豊かで、たくさんのことを感じられる心を持っているということだ。


これからも私は、この揺れる心と向き合っていく。たとえ生きづらさを感じる日が続いても、それが私の「生き方」だから。そして、その生き方の中に、自分なりの幸せを見つけていきたいと思う。

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