第30話 子供時代に感じた自由と孤独
子供の頃、私は自由だった。そして同時に、孤独でもあった。
自由というのは、自分の好きなように過ごせた時間のことだ。家の近くの川に出かけて小石を集めたり、空を見上げて雲の形を眺めたり。誰にも邪魔されず、自分だけの世界に没頭できる時間がたくさんあった。
その時間は、私にとって特別なもので、心が開放される瞬間でもあった。何も考えずに自然と触れ合い、小さな発見にワクワクする。誰かに評価されるわけでもなく、ただその時間を楽しむ――それが私にとっての「自由」だった。
でも、その自由の裏側には、いつも孤独があった。遊ぶ友達がいない日、学校で居場所を見つけられない日、家族の中で自分だけが違う存在に感じられる日。自由でいられる時間が増えるほど、その孤独もまた深くなっていった。
孤独は、時に心を締め付けるような苦しさをもたらした。周囲に「一緒に遊ぼう」と言えない自分を責めたり、「どうして私だけがこんな気持ちになるんだろう」と悩んだり。自分自身が自由であることが、他の誰ともつながっていない証拠のように感じられることもあった。
大人になった今、あの頃の自由と孤独を振り返ってみると、それらは決して相反するものではなかったと気づく。むしろ、自由があったからこそ孤独を感じ、その孤独があったからこそ自由を深く味わえたのだと思う。
自由と孤独は、私にとって人生の中で欠かせないテーマだ。今でも自由を求めるとき、心のどこかで孤独を感じることがある。でも、その孤独を恐れるのではなく、それと共存することで、自分の居場所や意味を見つけられる気がする。
子供時代に感じた自由と孤独。それは、私が自分自身を知るための大切な体験だった。そしてその体験は、今でも私の中で生き続けている。
これからも、自由を大切にしながら、孤独と向き合っていきたい。そして、その中で自分らしい生き方を探していこうと思う。
自由と孤独の間には、きっと豊かな発見がある。それを信じて、私はこれからも歩み続ける。
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