第27話 学生時代の生きづらさ

学生時代――振り返ると、そこには生きづらさばかりが残っている。


周りに合わせることが苦手だった私は、常に「自分はおかしいのではないか」と感じていた。同級生たちは自然にグループを作り、笑い合い、楽しそうにしている。でも、私はその輪の中に入れず、いつも遠巻きに眺めているだけだった。


休み時間になると、「どこに行けばいいんだろう」と考えながら教室をうろうろする。その姿を見た誰かが、「何してるの?」と冷やかす。そう言われるたびに、私はさらに居場所を失ったような気がした。


授業中もまた生きづらさを感じる時間だった。先生が突然指名してくる「発表」の時間が、何よりも苦痛だった。答えを知っていても、声を出すことが怖い。みんなの前で何かを間違えたらどうしよう――そんな不安が頭を支配し、緊張で体が動かなくなる。


そんな日々の中で、特に辛かったのは「普通でいなければならない」というプレッシャーだった。何かが少しでも違うと、「浮いている」と言われる。服装、言葉遣い、行動――すべてが周囲の目にさらされ、それに合わない自分は受け入れられないのではないかと怯えていた。


でも、大人になった今、少しずつ気づいたことがある。それは、学生時代の生きづらさが、私にとっての「自分らしさ」を見つけるための大切な時間だったのではないかということだ。


当時は、「自分は普通じゃない」と思い込んでいたけれど、それは単に自分の個性が他の人と違っていただけのことだった。誰かに合わせるのではなく、自分が心地よいと感じるものを選び、自分に合った生き方を模索することが、今の私にとっての「普通」になっている。


学生時代に感じた生きづらさは、確かに苦しかった。でも、その経験があるからこそ、今の自分がいる。その頃の自分に声をかけられるなら、こう言いたい。


「無理に周りに合わせなくても大丈夫だよ。自分らしさを大切にしてね」


学生時代の生きづらさを抱えたすべての人に伝えたい。私たちの個性や感性は、必ずどこかで光る場所がある。それを見つけるための旅を、どうか諦めないでほしい。


生きづらさの中にも、自分だけの「生きる意味」が必ずある。それを信じて、一歩ずつ進んでいこう。

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