第41話 子供のような視点がもたらす発見
大人になると、物事を効率的に考えたり、合理的に判断したりすることが求められる。それが生活をスムーズに進めるコツだと理解しているけれど、時々その「効率的な視点」に息苦しさを感じることがある。
そんなとき、私は意識的に「子供のような視点」に戻ることを試みる。無邪気に物事を見て、感じて、楽しむ。それは、日々の中で思いがけない発見をもたらしてくれるのだ。
たとえば、散歩中に見つけた公園の花壇。大人の目で見れば、ただの飾りに過ぎない。でも、子供の頃のようにじっくりと観察してみると、小さなアリが花の周りを行き交い、朝露が葉っぱをきらきらと輝かせていることに気づく。それは、一瞬で過ぎ去ってしまう景色の中に隠された、小さなドラマのようだ。
また、雨の日に窓ガラスを流れる水滴を眺めていると、それぞれが不規則に形を変えながら動いていく様子に魅了される。子供の頃、そんな些細なことに夢中になった記憶がよみがえり、大人の私にも心地よい静けさを与えてくれる。
子供のような視点を持つことで、日常が少しだけ特別なものに変わる。通り慣れた道も、買い物に行く途中の風景も、ただの「移動の一部」ではなく、新しい発見の場になる。
大人になると、子供のような視点は「非効率的」と思われがちだ。でも、その視点がもたらすのは、心の豊かさや、新しいアイデア、気づきだ。仕事に行き詰まったときや、気分が落ち込んでいるとき、ほんの少しだけ「子供の目」で物事を見つめ直すことで、心が軽くなることがある。
子供のような視点は、物事を楽しむ力でもある。結果を求めるのではなく、その過程を純粋に楽しむ。その感覚があると、日常の中に隠れた喜びや驚きを見つけやすくなるのだと思う。
これからも、時々「子供の目」を取り戻しながら生活していきたい。効率や合理性も大切だけれど、それだけでは感じられない感動や発見が、きっとまだたくさんあるから。
大人であることと、子供のような視点を持つことは矛盾しない。その二つを上手に共存させながら、自分らしい生き方を楽しんでいきたいと思う。
世界は、子供の目で見たときにこそ、驚きと感動で満たされる。私たちはその感覚を忘れずに生きていきたい。
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