16

 言うて、残り時間やることは同じだし特に変わり映えはしない。

 あれ?地面割った意味なくね?


 あいつらにとって地面割られたって変わらないようです。

 これ、無駄にちょっと順位上げただけじゃん!


「あ〜萎えた」

「残光爛々」


 光が俺に当たったと思えば爆発した。

 まるで地雷だな。


 さて、ここでどうするべきか。

 こんな程度じゃ傷一つもついてないが…

 流石にもろにくらって無傷じゃ不自然だ。


 ここで敗退したいけど…

 桐島に負けたという事実が本当に嫌だ!


 だから、自分で傷をつけよう。

 まぁ、あいつに負傷させられたってのも嫌だけどね。

 仕方ない。


「やったか?」

「それ現実で言う人いるんだ〜!」

「ハハ……」


 どう傷つけよう?

 普通に腕折るか?

 いや、爆破で腕折れるのはおかしいか。


 う〜ん…俺を負傷させることは不可能なわけだ。

 なら、負傷させたことにすればいい。


「いや〜効いた〜!」

「………」


 ボロッボロの俺を見て、桐島は怪訝そうな目を向けた。


 おい、なんだよ。

 そんなわけないだろ見たいな目やめろ。

 もっと自分に自信持て。


「そっか……そうじゃないかと思ったけど、真面目に戦う気はないんだね」

「ああ、そうだよ。だから、見逃してくれない?」


 あと13分、見逃してくれるなら結構でかい。


「え〜、僕はもっと戦いた〜い!」

「そっか〜戦いたいか〜」


 そんなこと言われたら仕方な…くないです。


「僕も戦いたいな…?」

「は??」

「シュン……」


 拗ねちゃった。

 かわいそ〜(笑)


 でも、話せば分かってもらえる可能性が出てきたぞ!


「なぁ、俺は目的があるんだ」

「……目的?」

「へ〜」


 一人興味なさそうなやついるんだけど…


「だから、順位上げるわけにはいかないわけよ」

「ふ〜ん…分かったよ」


 あら、物分かりがよろしい。


「手を抜いてる君に勝ったところで意味がないからね」


 ラッキー!

 桐島一人消えるだけでだいぶ楽になる。


「それに、君の目的ってのも気になるしね…?」


 はい、きもい。

 いちいちカッコつけるな。


「じゃあね」


 そう言って、光と共に消えていった。

 あいつの異能便利だな。


「一人消えちゃった〜…」

「そうだね〜消えちゃったね〜」


 そういえば、今までずっと戦っていたが名前知らなくね?


「どうしたの〜?」

「いや、そういえば名前知らないと思ってない」

「あ〜!!確かに!!自己紹介してなかったね〜!」


 素晴らしい…素晴らしいぞ俺!!

 上手く時間稼ぎができている。


「僕は真澄ますみ日向ひなただよ〜!!」


 あれ〜??

 本当に男??

 名前からして女では…?


「えっと…俺は雲雀丘蓮。神です」

「……?」


 首をかしげる真澄。

 なんかごめん。


 う〜ん…そろそろか?


「さて、ちょっと遊ぼうか…」

「また鬼ごっこ〜?」

「いや、違う。ちゃんとした戦いだよ」


 今からは普通に戦おう。

 普通にって言っても、当たり前に真澄のレベルに合わせるが…


「ほんと〜!?やった〜!!」


 こいつ可愛いな。


 だが悪いな。

 今から君は、俺の順位上げの道具にさせてもらうよ。

 きっと今のままじゃ順位が低すぎる気がするからね。


 ん?なぜ最初っからやらないのかって?

 そりゃそうだ。

 初めからやったら倒すまで終わらないだろ?

 今、残り時間あと5分になった。

 戦闘中に時間が終わっただと不自然じゃないだろ?


「ふぅ〜…よし!来い!!」

「んふふ〜!いくよ〜!!」


 さぁ、どう来る?

 どう来ようが対応できるんだけどな。


虎爪タイガークロー!」

「うおっ!?」


 これ、絶対痛いやつ。

 分かるね!


「む〜…」


 頬を膨らませないの。

 そんな可愛い顔して攻撃はえぐいのはギャップと言うやつか?


 とにかく、ここからは俺のターンだ!!

 反撃だ〜!!


「精々頑張れよ…」


 今から攻撃をするわけだけど…

 技名がない!!

 じゃあどうすればいいのか…

 そこで俺は考えた。

 ないなら作ればいい。


愚王拳アルティメットパ〜ンチ!!!」

「わっ…!!!」


 決まった〜!!

 俺の初めての技が…!!


 いや〜我ながら素晴らしいネーミングセンス…!!


「う〜…痛いよ〜……」


 がはっ!!

 ざ、罪悪感が…


 だが、ここは戦場。

 俺を恨むってのはお門違いだぜ?

 恨むなら、俺のセンスを恨みな⭐︎


 まぁ、冗談は置いといて…

 力はセーブしているし、ちょっと痛いぐらいでとどめているから俺悪くないです!


「えへへ〜!時間ないし、一気にきめちゃお〜!!!」

「……!」


 こ、これは…!?

 雰囲気が変わった…?


獅子王の咆哮レオンロア!」


 その言葉と同時にとてつもない衝撃波が放たれた。


「まっずいか…?」


 このデカすぎる衝撃波を避けるすべはあるのか?


 いや〜さすがは必殺技だな〜

 でもよ?

 俺にとってはただの技だぜ?


破滅拳なんかすごいパ〜ンチ!!!」


 俺のなんかすごいパンチによって相殺した。


 あと、一つだけ言わせてほしい。

 決して、技名が思いつかなかったわけじゃない!!

 これが技名なんだ!!!!


「すご〜い!!!僕の一番が簡単に破られたよ〜!!」

「だろ?俺はすごいんだよ」


 いいっすね…

 この尊敬の眼差しで俺を見てくれているこの感じ。

 素晴らしい。


 さて、そろそろ終わるかな?


「あ〜あ〜、お前ら試験終了だ。全員最初の地点に戻ってこい。もし、ヘルプが欲しけりゃ呼べ、多分行く」


 た、多分…?

 無責任すぎるでしょ…


「ね!戻ろ?」

「そうだな」


 色々あったが、無事試験が終わって良かった良かった。

 白亜はともかく楽とかは大丈夫だろうか?


 ま、あとで分かるか。


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