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鳴響断罪サンダリングジャッジメント…!!」


 倉瀬の叫びと共に、空間を切り裂くような鋭い音波が発せられた。

 見えない刃は、振動しながら高速で迫ってくる。


 空気が震え、地面がえぐられ、目に見えぬ音の刃はあらゆるものを斬り裂くように襲いかかってきた。


 だが、俺にはその刃が見える。


 目にはもちろん見えない。

 でも、感覚で分かる。


「もっとだ…!!」


 そう呟くと同時に、俺は一歩踏み込んだ。

 鳴り響く音波を間一髪でかわしながら、そのまま反撃の態勢に入る。


「もっと本気でこいよ!!!」


 一瞬で倉瀬の目前に迫り、拳を叩き込もうとしたが……


「遅えよ」

「……!!」


 俺の拳が届く寸前で、後ろにずれやがった。


 てっきり、そのまま殴れると思ったんだけどな〜…


「今、俺身体が軽くてさ〜…そんなんじゃ届かねぇよ!!」

「へ〜……だったら、これはどうよ…!!」


 俺はさっきよりも数段ギアをあげた。

 まず、目で追うことはできないスピードだ。


「……な、言っただろ?」


 でも、倉瀬には見えてたようだ。

 簡単に避けられた。


「そうそう、動体視力も上がってるんだったわぁ〜!!」


 ほ〜ん……

 思ったより、あの薬はやばいらしい。

 身体能力がアホほど向上してるようだ。


 死の代償として、相応しい強化だな。

 まぁでも、もちろん限界はある。


 だったらさ……それを上回っちまえばよくね?


「なぁ、倉瀬。確かに今のお前なら黒名以外の十傲には勝てる。でもさ、その薬は万能じゃない。強化にも限度があるだろ?」


 そう言いながら、俺はゆっくり一歩一歩倉瀬に近づいていく。


「だってほら。もう、後ろにいるもん」

「…なっ!?」


 ゆっくり歩いてただろって?

 別に、ゆっくり歩いてただけで遅いなんて一言も言ってないだろ?


「ぐっ…!!」


倉瀬は反応することができず、もろに攻撃をくらった。

だが、少し顔を歪めるだけですぐ立ち上がる。


流石の再生力だ。


「なぁ、倉瀬…そんなんで、俺に勝つつもりか?」


 俺は倉瀬に問いかける。


「もっと、力出せよ…もっと、俺を楽しませろよ…!!!!」

「……せぇ」

「ん?」

「うるせぇぇぇええ!!!!言われずとも、やってやるよ…!!!」


倉瀬は先ほどまでとは比べ物にならないほどの、闘気を放出する。


「やっぱ、あるじゃん。もっと上が…!!」


ここからが、本当の本番ってやつだ。

さぁ、第二ラウンドといこうか…!!


「アハハ!!!もう誰も俺を止められねェ…!!俺が…俺こそが、強者だァ…!!!!」



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