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「大丈夫…?」
「ああ、うん…大丈夫です」
心配されちった。
「それより、桐島!!お前、一体全体どういうことだ!!!」
「んん……!」
お前、何優雅に紅茶飲んでんの??
「どういうことって何かな…?」
「しらばっくれんじゃねぇぞ……ここに連れてきた理由だよ!!」
すると桐島は口に手を当て、考えるポーズをとった。
これだからイケメンは…
そのポーズも様になってやがる。
「そうだね…特に理由はないんだよ」
「はい…?」
理由もなく連れてきたの??
「強いて言うなら、柊先輩が寂しそうに見えたからかな…?」
桐島がそう言うと、柊が肩を震わせた。
なるほどね〜
図星か。
え?
それに俺必要なの?
「別に……寂しくなんか…」
「そうですかね?では、なぜ見知らぬ後輩2人を招き入れたんですか?」
「それは……」
桐島と柊が話している傍らで、俺は紅茶を啜っていた。
この紅茶うまっ!!
「きっと誰かと話したかったんではないですか?柊先輩は1人でいいと思ってるかもしれません。でも、本当は——」
「あなたに何が分かるの……私の何が…」
柊から放たれた言葉は、酷く冷たかった。
感情のない声に初めて感情が現れた。
「分かります、なんて無責任なことは言いません。でも、孤独の辛さは知ってます」
「………」
「柊先輩の過去なんて分かりません。きっと、何かがあって心を閉ざしてしまったのでしょう」
「……て」
柊が何かを言ったが聞き取れない。
それでも、桐島は続ける。
「孤独でいいと思っていても、体は人を求めてるはずです。だって、あなたは僕たちと関わろうとしていますから。どうでもよかったら、僕たちを追い返していますよね?」
「もう…やめて…!」
声に感情が現れた次は、表情に感情が現れた。
うむ…まっずいな〜
「桐島、ちょっと席外すわ」
「分かったよ。蓮、気をつけてね」
「うるせ〜!お前に心配されたくねぇ!!」
「ほんとにつれないな〜」
なんだ?
このきもきも星人は…
ま、いいや。
「さて、暴れようか…」
食堂から出た俺は、向かってくる人形を見た。
今、人形どもは凶暴化している。
おそらく、柊の情緒がおかしくなったことによって人形のコントロールができてないのだろう。
「ガガガガガガガガガッッッッッッッ」
カッコつけて出てきたはいいけど、この人形…壊していいのかな?
ま、大丈夫か。
しゃあない、しゃあない。
必要な犠牲ということで……
「消えろ」
「ガガ……ガ…!!!!!!!!!」
俺は人形の頭を拳で貫いた。
地味にグロい。
「ほら、もっとこいよぉ!!!」
久しぶりにガチで暴れられるんだ!
楽しまなきゃ損でしょ!!
「グ…ギャアアアアアアアア!!!!!」
「へ…???」
まてまてまてまて……
なんだあいつ!?!?!?!?
筋骨隆々の体長5mを超えるほどの巨体。
さらに、顔面デモゴルゴン…
「きんもっ…!!!!」
こいつ、人形!?!?
これ絶対、人体実験の失敗作だろ!!
「グギャ?」
化け物は俺を見ている。
何見てんだよ!!
俺を見ていいのは仲間になりたい奴だけだ!!!
とりま、ぶっ壊すか。
「
化け物の腹に向かって突き出した拳は……
「はへ?????」
思いっきし、空を殴った。
「いや、お前俊敏なの聞いてないって!!!」
こいつ、えっぐいスピードで後ろに下がりやがった。
「グググ………グギャアアアアアアア!!!」
「おい!?まてまて!!早まるな!!!」
あいつ、明らかに口からビーム出すよみたいな準備し出したんだけど?
「フハハハハ!!いいだろう!!受けてたとうじゃないか!!」
テンションがバグってきた。
元からだって?
やかましいわ!!
「必殺…!人形大集合!!!」
後ろに集まってきている人形どもにあのビームを当て、ビームを打った直後の一瞬の隙をついてあの化け物を倒す作戦。
完璧すぎる…
これぞ一石二鳥ってやつだ。
そして、化け物は口を開き、ビームを放った。
そのビームを間一髪で避け、人形たちにぶつけ……
「ガガガg——」
( ゚д゚)
ビームをくらった人形どもは跡形もなく消え去った……
いやいやいやいや……もうほぼ核兵器だろ。
「え〜と……とりま、死ね!」
一瞬の隙をついて、思いっきし殴った。
そして、化け物は肉片となり爆散した。
いや、グロッ…!!
これは流石に、R-18。
「とりあえず……殲滅完了!!!」
一部建物が崩壊してるが、しゃあない。
さて、戻りますか〜!!
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