14

「はぁ〜……どいつもこいつも雑魚ばっかだなぁ〜……」


 ちょっと真面目に戦ったら、すぐ終わる。


「がはっ!?」

「どうした?あんなに俺を倒すと息巻いてた癖に……」


 倒れてる倉瀬に問いかける。


「俺…は、弱くねぇ…」


 またそれか。

 ずっと言ってんな。


「俺は…強者でいないといけないんだ!!」

「…あっそ」


 こいつがどれだけ強さにこだわろうがクソほどどうでもいい。


「お前は弱いよ。鮫島と成宮の方が強い」

「そんなわけねぇだろ!!!」


 そうやってすぐ感情的になるから弱いんだよ。


「黙れ」

「がっ!?」


 ワンチャンあるかなって思ったけど……

 いいや。

 こいつはいらない。


「強くなりたいんだったら、仲間を見つけろ。お前みたいな弱者には選べる選択肢はそれしかない」


 ま、もう聞こえてないかもな。


「あ、やっときたんすか」

「うるせぇ…こっちだっていろいろあんだよ…」


 竜胆がやってきた。

 竜胆に倒れてる成宮と倉瀬を見られた。


「これ、お前がやったのか?」

「さあ?どうでしょう?」

「ま、お前しかいないか」


 勝手に決めつけられたんだが?


「でも、俺がやった証拠はないっすよね?」

「あ〜……はいはいそういうことか…」


 ん?なんか理解されたんだが?


「お前のこと な ぜ か!見れてないから順位決めれないわ〜」

「なんかすんません…」


 なぜかの部分強調しないで。

 でも、俺の意図を理解してもらえてよかった。


「じゃあ行くわ。はぁ、こいつらの順位どうすりゃいいんだ…?」


 そんな一言呟いて消えた。

 しっかり、さっきより強度が高くなった石楠花を生やして。


 そして、一人取り残された俺……


「…どうしよう??」


 一難去ってまた一難とはこういうことか…


 残り時間はあと……40分!?!?


 何すんねんこの時間……

 とりあえず、適当な雑魚狩ってちょっとでも順位上げとくか〜


「あれ〜?なにしてるの〜?」

「ん?」


 声の方を見ると男か女かわからん中性的な見た目の人物がいた。


 う〜ん…底が見えないな。


「何をしてるかって?ふふふ、自分に酔いしれていたのさ⭐︎」

「ふ〜ん、ねぇ!僕と戦おうよ!」


 ねぇ、俺のボケをスルーしないで??

 あと、どいつもこいつも戦闘狂だな!


「嫌!!」

「ダメ!!」


 ダメって何??

 拒否権ないのかよ!!


「俺はね、弱いんだ。だからね?戦っちゃうと負けちゃうんだよ?」

「そうなんだ!じゃあ、あっけなく負けたら?」


 無慈悲だ…

 人の心ないんか…?


 これは…戦うしかないか…?


「ね〜はやく〜!!」


 駄々こねてるガキじゃあるまい……

 いや、見た目ガキだな。


「仕方ないな〜お兄さんが遊んであげよう」

「ほんとう!?やった〜!!」


 なんだろう…ほんとに子供を相手してるみたい。


「じゃあ、鬼ごっこしようか!」


 ふふふふ、決して追いつけないスピードで逃げてやるよ。


「ヤダ!戦う!!」


 作戦失敗!

 プランBに移行します。


「あ〜そっかそっか……俺を捕まえれたらな!!」


 プランB、ゴリ押し鬼ごっこ開始!


「ははは!俺の勝ちだ!!」


 俺の全速力の走りに追いつけるわけ……


「タッチ〜!!」

「???????????????」


 イミガワカラナイヨ…


 どうやって追いついた????

 チーターか?ドーピングか?


「僕の異能は動物なんだ!」


 動物の異能だと…!?

 チーターはチーターでも動物のチーターかよ!!


「ふ〜ん…おもしれぇおん…ごめん、性別どっち?」

「僕は男だよ〜!」

「おもしれぇおとこ…」


 それにしても、男の娘か…

 ありだな…


 ハッ!?いかんいかん。


「ねっ!!捕まえたんだから、はやく…しよ…?」


 上目遣いで言わないで!?

 自分の武器を分かってらっしゃる。


「くっ……男に二言はない!やっちまいな!桐島!!」


 そう言うと、木陰から桐島が本当にうざいが爽やかな笑顔で登場した。


「漁夫の利狙ってたんだけどな〜」


 やり方狡いなこいつ。


「じゃ!よろしくね〜この子の相手」

「やだ!」

「うわ、キモ…」

「やっぱり僕にだけあたり強いよね??」


 そりゃそうだ。

 何回でも言ってやろう。

 俺、お前嫌いだし。



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