最狂の異能力者

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「ふわぁ〜……」

　突然だが、学校ってめんどくさいよな。

　朝早くに起きて、勉強、勉強……

　何が楽しい？？

　と、文句をたらたらと述べていたらスマホが鳴った。

「ハッ！！キタキタ〜！！」

　テンション爆上がりの理由。

　それは、学校がサボれるからだ！！

　なんでやねんて話だと思うが、行ったら分かるので今は言わないでおこう。

　じゃあ、向かってる間に今についての話をしよう。

　まず、ここは日本であって日本じゃない。

　何言ってるか分かんないと思うが最後まで聞いてくれ。

　いつかは定かじゃないが、昔この世界に異能と呼ばれる力が発現された。

　理由は分からないが、千人に一人の確率で異能力者が生まれる。

　遺伝とか関係なしに、突然な。

　異能と言われてピンとこないと思うが、超能力だと思ってくれていい。

　異能には種類がある。

　大まかに攻撃型、防御型、サポート型の三つである。

　攻撃型は文字通り、攻撃するのに適した異能だ。

　有名なので言うと、炎の異能だとか色々。

　本当にそのままの異能なので特に言うことなし！

　防御型はハズレ異能と呼ばれている。

　防御するだけに意味はあるのかとかいう理由だ。

　もちろん防御型にも例外はある。

　鏡の異能なんて言うなかなかにチート異能があるからな。

　だが、基本ハズレ異能なのは間違いない。

　サポート型はまた二つに分類される。

　個人型と協力型だ。

　個人型は自分しか効果を受けない。

　協力型は他人にも効果を付与できるというモノだ。

　便利だねぐらいの認識で構わない。

　そしてこれが大事なんだが、異能持ちが生まれた場合、異能は必ず一つ持って生まれる。

　決して、二つ持って生まれてはこないのだ。

　だが、ある時二つの異能を持つものが生まれた。

　理由は解明されてないので、神の生まれ変わりだとかいろいろ言われている。

　だけど、実際は神の生まれ変わりなんて言う生やさしいものじゃない。

　まだ二つの異能を持つ危険性をあいつらは理解していないのだ。

　と色々話したが、もうすぐ目的地に着くのでこの辺で。

「ほ〜…なかなか派手にやってくれてるじゃん」

　目的地、銀行にやって来た。

　異能という人智を超えた力を持つと人間は調子に乗るのかよく分からないが、悪の道を進む。

　で、その一つが銀行強盗と。

「まだ、あいつは来てないが…まぁ、いいか」

　犯罪者の見た目は大柄。

　そして、生身だ。

　つまり、身体強化の類か。

　ま、すぐ終わるか。

「止まれ！」

「頑張って止めてみろや！！」

　一般の警察の人が頑張ってくれてるようだ。

　このままことが終わればいいけど、異能力者に一般人が勝てるわけない。

　そこで俺の出番だ。

「よっ！私が来た！！！」

「「………」」

　かっこいい登場をしたはずが、辺りが静かになってしまった。

　おかしいな。

「舐めてんのか？ここはガキの遊び場じゃねぇんだよ。ヒーローごっこがしたいなら消えろ」

　思いっきり正論が飛んで来た。

　帰りたいのはやまやまなんだけどね…

　学校サボれるし、あとついでに仕事だし。

「なぁ、おっさん。自首しない？」

「…死ね！」

「…え？」

　目の前におっさんが現れた。

「お、速い！」

　俺の顔を殴ろうとしたのか拳を突き出して来た。

「なっ！？」

　でも、その拳が届く前に俺はおっさんの腕を掴んだ。

「なかなか速いじゃん！でさ、自首しない？」

「する…わけ、ないだろぉぉおお！！」

「うわっ！？」

　衝撃波を出して来た。

　それによって、掴んでいた腕を離してしまった。

　そして、おっさんは距離を取るために後ろに下がった。

　衝撃波を出す異能か…？

　いや、それだとあのスピードは説明できないな…

「なんの異能だ？」

「俺の異能はスピードだ」

「…なるほどね」

　ふ〜ん、面白いじゃん！

　こいつのスピードは音ぐらいには速いんじゃないかな。

　そのスピードを活かして擬似衝撃波を出したと。

　あとは、持ち前の力でゴリ押しか。

「うん、いい工夫だと思うよ。攻撃型の異能じゃないのによくここまで仕上げたよ」

「ガキのくせに上から目線で言ってくんじゃねぇ！！！」

　また消えたと思ったら背後に気配を感じた。

「そろそろ、あいつ来そうだし早々に終わらそうかな…」

「死ねぇぇええ！！！！」

　俺は異能を発動させた。

　そのまま突っ込んできたおっさんを叩きつける。

「戦場じゃ大声は命取りだぜ？」

「ば、化け…物…が……」

　そう言っておっさんは力尽きたように倒れた。

　おいおい、人のことを化け物とは失礼な。

　一息付いていると、背後から声がした。

「雲雀丘（ひばりがおか）くん？」

「ふぁっ！？！？！？」

　俺としたことが、今までで一番ビビったかもしれない。

「な、なんでしょうか…？有栖川さん…？」

　あいつこと有栖川（ありすがわ）白亜（はくあ）が来た。

　有栖川白亜といえば、日本最大の大手企業有栖川グループのご令嬢様だ。

　地毛なのか分からん銀髪で、人形のような整った顔立ち。

　誰もが見惚れてしまうようなプロポーションの持ち主。

　しかし！！

　中身は阿修羅。

　見掛け倒しも甚だしい。

「何か失礼なこと考えてないかしら…？」

「い、いえなんでもありません！」

　エスパーか何か！！

「はぁ〜」

「そんなため息をついて、どしたん？話聞こか？」

　きっと俺のイケメンスマイルに落ちたはず…

「やっと着いたと思ったら、すでにあなたが全部終わらせてたことについてよ」

「その節はすみません！」

　だって、早めに対処したほうがいいかなと思って…ね？

「別に怒ってるわけじゃないわよ。ただ、一人で無茶しないで。あなたに何かあったら私の仕事はどうなるの？」

　最後の一言で台無しだよ。

「そもそも、俺が負けるわけないだろ？」

「ええ、悔しいことにね…」

　誇れよ！

　相方が最強だぜ？

「あ、そうだ。本部長に呼ばれてるわよ」

「もっと早く言えよ！！」