24

 今日の授業は全て終了し、自室に帰ってきた。


 特にすることもないため、軽く将来設計でもしようと思う。


 まず、順位に関してだが今のままで十分だろう。1000位であれば、目立つこともなければ順位が低いということもない。

 まさに理想的な立ち位置。


 きっと俺から何か仕掛けることはないだろう。

 今はな。


 そんで、一先ず一年の間は目的のための準備期間にしよう。

 本格的に動き出すのは二年の後半からかな?


 ま、大まかにこんな感じだ。

 予定変更はあるかも?


「ふぅ〜〜」


 一息ついてベットにダイブする。


 このベットふかふかでまじ気持ちいい。

 羽毛布団だぜ?

 今の季節に合ってないけど。


 ベットで気持ちよくゴロゴロしていると、インターホンが鳴った。


 こんな時間に一体誰だ?

 非常識だろ!!※現在時刻午後5時


 ドアを勢いよく開けると……


「こんにちは」

「……え?」


 黒髪清楚な美人さんがいた。

 てかこの人、入学式隣に座ってた人やん!


 え?何用?


「お話がありまして、中に入れていただけませんか?」

「え?あ、どうぞ…?」


 理解が追いつかないまま、とりあえず中に入れる。

 てか、何で俺の部屋知ってんの?


「まずは私の自己紹介から。私の名前は黒名くろなこころです」


 へ〜、黒名……


「黒名!?」

「はい。生徒会長である、黒名楓は私の兄です」


 あの時の既視感はそれだったか〜

 でも、まさかあの会長の妹だとは……


「では、本題に入りましょうか」

「あ、はい」


 すると、黒名はさっきまでと違い真剣な目になった。

 まるで、俺の心を読んでるかのようだ。


 いやな感じがする。


「単刀直入に言います。あなたの目的は何ですか?」

「………」


 おっと、予想の斜め上の質問がきたな。


「目的って…別に何にもないぞ?」

「そうですか。ですが、私は視えてますよ?」


 視えてる…?


「どういうことだ?」

「そうですね。もう言っちゃいましょうか。私の異能は心眼の異能です」


 心眼…そうか。

 全てが腑に落ちた。


「私のこの心眼の異能は、いろいろなものが視えます。例えば、人の感情だったり、断片的ですが相手の思っていることだったり……」


 黒名は一拍置いて告げた。


「そして、相手の異能も視えますね」

「ふふ……あははは!そうか、視えるか!」

「ええ、あなたの二つの異能。全身体強化と——」

「ちょっ、ストップ!」


 もう一つの異能を言おうとして、ギリギリで止まった。


 危ない危ない。

 まだ、言われちゃ困るんだよ。


「それで、なんだっけ?ああ、目的は何だって話だよな?」

「ええ、そうですね」


 う〜ん…目的か〜


「話す必要ある?」


 純粋な疑問である。

 俺が話したところで、お前に何ができる?


「ただ一つだけ聞きたいんです。あなたのその目的は、我々にとって害をなすものですか?」

「……仮に害をなすと言った場合、お前はどうするつもりだ?」

「あなたを止めます」


 止める?

 あははは!

 本当に面白いな。


 俺を止めるなんて不可能だ。

 だって、俺に勝てるやつなんているわけないんだから。


「そうか。止めたいなら勝手にしろ。俺はただ、目的のために動くだけだ」


 俺の異能をバラそうが、どれだけ邪魔しようが、関係ない。

 どんな状況になろうが、臨機応変に対応するだけだ。

 やりようはいくらでもあるんだからな。


「分かりました。今日はわざわざありがとうございます」

「おう、気をつけろよ〜」


 心眼の異能か…

 利用できるかもな…?

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