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強くなるために必要なことは何か?
修行をする?
実践を積む?
確かにそれも大切だろう。
だが、それだけでは強さの限界がある。
じゃあ、なんだ?
覚悟?
信念?
そんな感情論で強くなどなれない。
戦いにおいて、冷静さを欠くことはよくない。
すぐに感情的になるやつはすぐ負ける。
だが、逆を考えれば冷静さがあればいい。
分析なんて必要ない。
必要なのは、自分の実力の理解。
そして、狂うことだ。
「ははは!おい、竜胆!」
「はぁ…お前、正気じゃねぇな」
ふふふ、正気じゃない?
むしろ、それがいいだろ?
「
「チッ…」
なぁ、鮫島。
お前はここに来る覚悟があるのか?
まぁ、なくても無理矢理立たせるんだけどな!
「……」
「あと10分。そろそろ、終わらせようか」
そうか、あと10分か……
「おい、鮫島」
「ぁ………」
……?
ああ、やっと目覚めたか。
「よし!あとは任せた!!」
「……!」
今回の俺の目的は鮫島の成長。
それは今達成された。
あとは……敗北するだけだ。
ま、鮫島がどこまでやれるのかは見ておこうかな。
「牙狼」
目にも止まらぬスピードで竜胆に迫る。
「ガキが来るような場所じゃねぇだろ……ここは」
鮫島の攻撃を受けた竜胆は後方に飛ばされる。
いや〜それにしても…
なかなかいいパワーしてるよほんと。
今、鮫島は一切無駄なことを考えていないだろう。
強いて言うなら、目の前に餌がいるということぐらいか?
だからこそ、迷いがない。
無駄な動作が少ない。
だから、あのスピード、パワーを出せたってわけだ。
でも、まだ足りない。
強くはなった。
だが、弱い。
多分、白亜には勝てるだろうが桐島には勝てない。
認めるのは癪だが、桐島は強い。
失うものがないやつほど厄介な敵はいないからな。
「さて、そろそろ終わりかな?」
目の前で繰り広げられたこの
「俺の踏み台になりやがれぇぇ!!!!」
「お前が俺を踏み台にするには早すぎるだろ。身の程を知れ、鮫島」
「鮫牙!!」
一直線に竜胆へ向かう。
鮫島の決死の攻撃。
「甘い」
「がっ…!?」
だが、そのあまりにも単純な攻撃は竜胆には通用しない。
「これで、42人目だな。雲雀丘、お前はどうする?」
「これ以上しても勝ち目ないんで、ギブで」
戦いたい気持ちはあるが、時間的にも楽しめる余裕はない。
「そうか。なら、さっさと戻ってこいよ」
そう言い残して、竜胆は鮫島を抱えて消えていった。
そうして、1人残された俺は……
「なぁ、お前たち。次は誰にするべきだ?」
そんな、誰に向けたのか分からない問いをするのだった。
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