闘技会
38
1ヶ月が経ち、闘技会当日。
「よっ!逃げずに来たようじゃな」
「あ〜……どうも。一ノ瀬さん」
「むっ…!魔王様と呼べ!!」
「魔王さん…?」
「うむ!!」
なんだこれ?
とにかく、俺は会場にやってきたわけだが……
人多くね…?
これ全部、観客ですか…?
「では、行くぞ!!」
魔王さんが移動を始めたので、俺もその後を追う。
前回、成宮が行った闘技場に入り、観客席のさらに上の場所にやってきた。
そこは、まるで宮殿のような場所だ。
いや、豪華すぎるだろ。
VIP対応か!!
十傲ってすげ〜…
俺は高そうな椅子に座って、ソワソワしていると……
「落ち着きがないね」
神崎が訪ねてきた。
「そりゃそうっすよ…こんな貴族みたいな対応されたことないし……」
「はは、確かにね。僕もいまだに慣れないよ」
そうだよな!
黒名、柊、御門が馴染みすぎてるだけだよな!
「緊張はしてる?」
「え?いや、まったく」
むしろ、戦えるんだからそれはもうスーパーアルティメットウルトラハイパーハイテンションだぜ!!!!
「そっか、頑張ってね。何か嫌な予感がするからさ」
嫌な予感…?
はて?
それは……どういうこと?( ᐛ )
※バカが。
てめ、出てきやがったな!!
「今回の闘技会のエントリー数は約1000人。蓮、君はその1000人の中で1位になった人と戦う。もちろん強いだろうけど……君なら大丈夫だよね。あ、負けたら退学だから」
「んん????」
黒名さんよ……
簡単に退学させようとしないで…
まぁ、絶対に俺が勝つからいいけどさ。
「お前、半端な戦いすんじゃねぇぞ!」
「するかボケ!!」
「あ゛ぁ゛!!!」
やべ!
つい反射で言ってしまった……
ま、いっか!!!!
「もう!2人は喧嘩しないと落ち着かないの!?」
夢見パイパイが間に入ってくれる。
……そろそろセクハラか。
やめよう。
「さて、始まるみたいだね」
「わ〜い!わ〜い!!」
「小学生かな…?」
♦︎
戦いはつつがなく行われた。
ぶっちゃけ、くそつまらん。
「はぁ〜……」
「つまらなそうやな、雲雀丘くん…?」
隣に現れたのは、無駄に輝いている御門だ。
「つまらないっすよ〜あんな茶番のどこが面白いんすか?」
「あははは!これでも、今戦っとるのは50位と47位やで?」
は?
あれで?
ふ〜ん……カスじゃん。
「まぁ、でも……実際、弱いよな〜ほんまに…」
「……?」
こいつ…何企んでやがる?
「でも、安心してほしいわ。絶対、雲雀丘くんのお眼鏡にかなう相手がおる」
そうか……
ふふ…
「はははは…!受けてたってやるよ!はぁ〜…楽しみだなぁ〜……」
御門が自信満々に言うってことは、最低でも俺とまともな戦いが出来る相手ってことだろ…?
「なるほどな……これが…」
「ん?どうしたんっすか?」
「ああや、なんもないよ」
……?
「お、決着がついたみたいやな」
その言葉通り、歓声が聞こえる。
「そんな盛り上がるもんかね〜……まぁでも、次は楽しめる思うわ…?な、雲雀丘くん?」
そうして、出てきた出場者を見て俺は理解した。
「そうか、倉瀬。お前は……俺と同じ道を選んだんだな…」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます