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 ここで今更ながら俺の自己紹介をしよう。


 改めてどうも。

 最強の男、雲雀丘ひばりがおかれんだ。


 以前異能二つ持ちが生まれたって言っただろ?

 それ俺ね。


 ここで、俺の異能を一つ紹介しよう!


 俺の異能の一つは身体強化だ。

 身体強化と言われてもたくさん種類があるわけだが、俺のこの異能は全てにおいての身体強化だ。


 もう一つは言えないが、いずれ分かるさ。

 いずれね。


 そして、今俺は非常に不服ながら中学校に来ていた。

 残念なことに仕事を取り上げられた結果、学校に行かなくてはいけなくなったのだ。


「死ね!!」

「いきなりどうした!?!?」


 おっと、つい発作を起こしてしまった。


 だが、それも仕方がない。

 サボる口実がなくなってしまったのだから。


「死ね!!」

「またかよ!?!?」


 そんで、このさっきから騒がしいやつは…やっぱいいや。

 どうせもう出てこないだろ。


「お前にとって学校とは?」

「いきなりだな。う〜ん……」

「はい、あざした〜」

「まだ言ってないが!?」


 だって長そうだったもん。


「じゃあ言ってみろ!」

「え?あ〜…青春できる場所…?」

「お前まじか」


 待った結果これか。

 おもんねぇ〜


「そう言うなら蓮言えよ」

「え〜いいよ。問いからどうぞ」

「あ、はい。蓮にとって学校と——」

「死ね!!」

「えぇ????」


 以上、俺の学校生活の一部分でした。

 こんなことを何回も繰り返していたらいつの間にか学校生活は、終わりを迎えていた。


 卒業式を終えて教室に戻ってきた。


「やっと終わった〜!!」


 誰もいない教室で叫んだ。

 だがこの終わりは地獄の始まりだと俺は気づかなか……いや、気づいてたわ。


 そろそろ帰ろうとした時、不意に画鋲が飛んで来た。


「画鋲とかまた古典的ないじめだな」


 そう言うと、明らかにヤバそうな女が現れた。


「もう会うこともないし、ここで死んでよ」


 初対面でいきなり殺害宣言。

 予告じゃない宣言だ。


「もう会うこともないんだったら、殺さなくてもよくね?」

「うるさい!!死んで!!!」

「ちょっ!?!?」


 投げすぎ…!

 どんだけ画鋲持ってんだよ!

 避けるので手一杯だ。


「私の異能は画鋲よ」

「…え?」


 いきなりカミングアウトをしたかと思えば、何その珍しい異能。


「その異能って攻撃型…?」

「そうよ」

「あ〜それハズレの異能だね⭐︎」

「分かってるわよ!!!!」


 やべ、余計に怒らせた。


 ど、どうしよう。

 一瞬で背後取って気絶させることはできる。

 でも、それじゃあ面白くないよな。


 そうだ!白亜を呼ぼう!


 スマホで白亜に電話する。


「もしもし!今大丈夫か?」

『ええ、大丈夫だけれど……何の音かしら…?』


 電話しながら画鋲を避けてるせいかな?


 どういう状況か説明してる暇もないので用件だけ伝える。


「とりあえずうちの中学校に来てくれ!じゃ!!」

『え?ちょっ——』


 とりあえず来るまで逃走中かな?


「逃げるな!!潔く死んで!!!」

「嫌に決まってんだろ!死因が画鋲とか教科書に載るレベルの醜態だわ!」


 てか画鋲で死ぬか!


「そもそも、何で俺を殺そうとしてんだよ!」

「あなたが、私よりいい異能を持ってるから!!」

「逆恨みかよ!」


 画鋲の異能よりいい異能なんて世の中腐るほどあるわ。


「ピンポイントで俺を狙うなよ!」

「あなたが近くにいたのが悪いのよ!!」


 エグいって。


 もちろんこんなに暴れてたら響く訳で…


「誰だ!こんな時に暴れ——」


 注意しに入ってきたおっさん先生に画鋲投げつけたよ。

 しかも顔面スレスレ。


 やっぱイカれてんなこの女。


「うわぁぁぁぁぁああああ!?!?!?!?!」


 叫びながら尻尾を巻いて逃げていくおっさん先生。


 失礼ながら笑ってしまいそうになった。


「いやっ…くふっ、それは、やばいって!」

「何笑ってんのよ!!」


 だって、いい歳したおっさんがあんな叫んでんだぜ?

 笑うに決まってるだろ!


「いや〜いい思い出できたわ!ありがとな」


 さて、このまま見逃して……


「逃すわけないに決まってるよね?」


 くれなかった。


 ですよね〜


「ねぇ!画鋲投げるのやめない…?」

「私の取り柄を取り上げるつもり?」

「あ、ごめん」


 何言っても地雷かもしれない。


 早く来てくれ!!

 はくえもん!!!


「誰がはくえもんよ!」

「本人キタ〜!!!」


 呼んだら来てくれる。

 本当に便利などう…コホンッ!

 優秀な相方ですね〜


「帰っていいかしら?」

「帰らないで下さい!そして、俺を助けて!!」


 プライド…?

 そんなもんとうの昔に捨てた!!


「どういう状況なわけ?」

「画鋲女が俺を殺そうとしてくる」

「本当にどういう状況????」


 本当にそのままなんだよ。


「どいつもこいつも私より良い異能を持ちやがって…!許さない……!皆殺しにしてやる…!」

「え〜と…盛り上がってるところ申し訳ないけど、画鋲程度じゃ皆殺しは無理じゃない??」

「黙れぇぇぇええええ!!!!!!!」


 うわ〜!!

 めっちゃ怒った〜!


「どうしてあなたはそう火に油を注ぐ行為をするわけ?」

「てへ⭐︎」

「きもっ…」


 これをしたら許してくれるはずでは??

 え?可愛い子だけ…?

 俺も可愛いだろっ!!

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