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 有栖川白亜の異能…


 それは、鏡の異能。


 防御型の異能で正味チートだ。

 意味分からんぐらい強い。


 何故ここまで言うのかというと、見てたら分かる。


反射リフレクト!!」


 飛んできた画鋲を全て跳ね返す。


「技名あるんだ。ヒュ〜、カッケ〜!!」

「あなたを万華鏡にしてあげようかしら?」


 怖っ!?

 言ってることやばいって!


 それにしても技を跳ね返すのはなかなかに強いなぁ。


 でもまだ白亜は力を扱いきれていない。

 鏡の異能という強大な力をまだ制御しきれていない。

 だから、四級なわけだ。


 まぁ、その辺のやつには負けるとは思わないけどな。


「拘束したらいいのよね?」

「ん?…ああ、そうだな」


 仮にも俺たちはECOなわけだし、危害を加えようとしている奴は捕えないとな。


「鏡風情が画鋲に勝てるわけないでしょっ!!!!」


 ヒステリックに叫ぶ女さん。


 白亜が画鋲跳ね返しながら距離を縮める。


鏡の向こう側パラレルワールド!」


 そう言って、女さんに鏡を押し付ける。


「ま、待っ——」


 鏡の中に女さんを捕えた。


「お疲れさん。大変だったな!」

「本当よ!誰かさんがいきなりここに呼んだおかげでね!」

「結果良ければ全てよし!」


 中学最後の日に散々な目にあったが、結果オーライということで。


 それに、鏡の異能にも少し知れたしな…


 ……ん?誰かいたか?

 まぁ、気のせいか!


「よし!じゃあ、帰ろう!!」

「何を言っているの?今から本部に行くわよ」

「え゛!?」


 嫌だ……嫌だ!!


「明日で良くね…?」

「いやよ!ずっと、この女といるのは!」


 そんなこと言ってやるなよ。

 可哀想…ではないな。

 自業自得だわ。


「わーたよ!行けばいいんだろ!行けば!!」

「私が巻き込まれた側なんだけれど??」

「その節はすみません!!」


 綺麗な直角九十度のお辞儀をしたところで、不意に声が聞こえた。


 不意じゃないか、気配は察知してたしな。


「やあ、二人とも」


 現れたのはスーツを身にまとい、イケメンなくせに胡散臭そうな男、桐島きりしまひかる


「何で、お前が居るんだよ」

「同じ学校なんだから居るでしょ?」


 そう言って、微笑む。


 ほら、胡散臭い。

 しかも、無駄にイケメンだから余計に。


 あと、なんでスーツなんだよ。


「白亜ちゃん!やっほ〜!!」


 白亜に手を振る桐島。


「あはは………」


 おい、見ろ!

 白亜が愛想笑いしてるぞ。


「つれないな〜…あ、そう言えば、僕もあの学校に通うからよろしくね」

「お前もかよ……」


 最悪だ…

 何が好きでもう三年間こいつの顔を見なければいけないんだ……


「そんなに喜ばないでくれよ〜、君を倒すために入るんだから。絶対に…ね?」

「……ああ、頑張れ〜…」


 こうは言ったが、こいつが俺に指一つも触れることはない。

 断言しよう。


 俺を倒す…?

 …出来るわけがないだろ?

 俺に勝てる奴はこの世には居ない。

 そう、この世には…な。

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