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「てことで、俺あと一万しかないから恵んでくんね?」

「ん??????????」


 俺は今、楽の元にやってきた。

 理由は単純、クソ雑魚ヤンキー先輩に五万あるうちの四万を奪われたからだ!!

 その趣旨を伝えると…


「そうなんだ…それは仕方ないね。わかったよ、二万渡すよ」

「まじ!!サンキュー!!!!!!!」


 とりあえず、楽に俺は弱いということを刷り込みしていこう。


「それにしても、入学式初日から災難だったね」

「それな〜、泣きそう」


 今思えば、四万は取りすぎだよな?

 法に引っかんねぇかな?


「ねぇ、明日順位決めだけど、大丈夫?」

「ん?あぁ、そう言えばそうだったな。まぁ、大丈夫だろ」


 俺はとりあえず、中間ぐらいにいるつもりだ。

 中間がどれくらいか知らんけど。


「よし!ありがとな。じゃあ、帰るわ!じゃあな!!」

「うん!またね」


 楽の部屋から退室し、自分の部屋に戻る。


 明日の試験がどんなものか、楽しみだな。

 そうして、俺は眠りについた。


 次の日。


 学校に登校し、教室に入る。

 そこには、何人かの生徒がグループを形成していた。


 なるほど…

 俺は出遅れたわけか…

 まぁ、仲良くしようとは思ってないし別に構わない。


「ふわぁ〜……」


 HRまで時間はあるし、それまで寝よう。


 ♦︎


「——ぇ」


 ん?


「——てば!」


 ん???


「ねぇってば!!!」

「うぉ!?」


 意識が覚醒して、聴覚が戻った瞬間に耳元に大声が響いた。

 その発信源に目を向けると、赤茶色の髪でポニーテール元気っ子少女がいた。


「やっと起きたよ〜!」

「わ、悪い…なんか用か?」


 いきなりのことで、まだ頭が回っていない。


「私ね〜、クラスのみんなと仲良くなりたいと思ってね!」

「はぁ、つまり俺と仲良くしたいと…?」

「ほぇ?違うよ?」

「?????」


 思いっきしアホずらで否定してくんな。

 泣くぞ?みっともなく泣き喚くぞ?


「じゃあ、何の用だよ?」

「ほら、鮫島くんと仲良さそうに話してたじゃん…?」

「…え???????」


 いや全く。

 仲良くしたつもりないけど…?


「だからさ、鮫島くんとパイプ繋げてくれないかな…?」

「いや、自分で行けよ」

「無理だよ〜!!だって、睨まれたんだもん!!」


 睨まれたぐらいで怖気付くな。

 俺ならむしろ突っかかるね!


「だから、お願い…?ね?」


 上目遣いで可愛くお願いしてくる。


 だからって、俺は了承することはできない。

 理由は単純…


「鮫島に俺から関わらないって言ったから無理」


 そう、こんなことを言ってしまったからである。


「む〜………」

「悪いな」


 これで終わりだということで、帰るかと思いきや…


「だったら君でいいや」

「ん???」


 なんか妥協された。


「名前は?」

「えっと…雲雀丘蓮だけど…?」

「ふ〜ん…私は戸井とい明里あかり。よろしくね!雲雀丘!」

「お、おう…」


 なんかめんどくせぇやつに目をつけられてしまった。

 あと、鮫島にはくん付けで、俺は呼び捨てなのなんで??

 

 てか、鮫島が無理なら俺に変えるって、一体どんな目的だ…?

 ま、いっか!


「今日試験じゃん?」

「おう」

「どんなのかな?」

「知らね」


 知ってるわけねぇだろ。

 はよ席に戻れ。


「もう、適当に返事してるでしょ!!」

「おお、よく分かったな。てっきり分からないかと…」

「へ〜、そんなこと言うんだ…だったら、私より順位低かったら何でも言うこと聞いてもらうから!」


 そうきたか……

 まじめんどくせぇ……


 まぁ、流石に負けるわけがない。


「いいよ。その代わり、お前が低かったら言うこと聞けよ?」

「いいよ〜!!えっちなこと以外なら!!」


 誰がするか!!


 そんなことをしていたら、竜胆がやってきた。


「お前ら、さっさと席に座れ。これから試験の説明を行う」


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