18

 試験が終わり、休日を挟んで久しぶりの学校。

 え?たった二日休んだだけで久しぶりとは言わないだろって?

 うるせぇ!!


 はぁ…今日も今日とて憂鬱な気分である。

 きっとなんの面白みのない授業が今日から始まるんだろなと考えれば考えるほど俺の気分は90度直下で落ちていく。

 いや、むしろ180度。


 あ、そうそう順位ね。

 スマートバンドに映し出された俺の順位は…


 1067/3096


 1067位です。

 どうだろう?

 まぁ、妥当ラインかな。

 ちょっと想定してたより高いが、これぐらいならね?  


 そして、他のやつらの順位も見れるということで、順番に見ていこうか。


 まず、みんな気になってるであろう白亜の順位だが……


 860位か。

 一年にしては高いのではないか?


 で、桐島は…


 483位だぁ…?

 冗談だろ?

 いや、冗談であってくれ!

 なんでこいつこんな高いの??


 そんで……一人一人言ってたら時間がかかり過ぎるな。

 ダイジェストで行きま〜す!!


 鮫島は776位。

 真澄は799位。

 楽は2551位。


 あと…誰だ?

 ああ、成宮は3065位

 倉瀬は3066位。


 残念なことに俺が早くに倒してしまったせいで、成宮と倉瀬の順位が低い。


 ま、頑張って成り上がってもろて。


 さて、これぐらいかな?


 あれ?なんか一人いたよな…?

 大切なことを忘れてるような…


「もう教室の前か…」


 さて、腹括って行くか!


 ドアを勢いよく開けるとそこには異様な雰囲気があった。

 まぁ、順位のせいだろうな。


 俺は気にせず自分の席に座る。


 一息ついていると…


「やっほ〜!!」


 あ、この女を見て思い出した。

 勝負してたんだ!!


 いや、さすがに勝ってるだろ。


「約束覚えてるよね!!」

「当たり前だ。ま、俺の勝ちだろうけどな」


 そう言うと、なぜか驚いた顔をしていた。


「あれ?私の順位見てない?私、990位だよ?」

「……………!?!?!?!?!?」


 ん???

 え?


 順位表を開き、990位を見ると……


「なっ……」


 本当に990位だった……

 つまり俺は負けたのか…?


「くっ、殺せ!」

「君のくっころは需要ないよ〜?」


 失礼な。

 需要しかないだろ!!


 それにしてもまさか負けるとは…

 1000位ですら結構高いぜ?

 こいつそんなに強かったの…?


「う〜ん…何してもらおうかな?」

「はよ決めろ」


 なぜ俺はこの勝負を受けたのか……

 いや、だって弱そうじゃん。

 あの見た目で強いのは知らんて…


「ま、初めから決まってたんだけどね?」

「それで、内容は?」

「それは…私と協力しない?」


 協力か…


「私ね、この学校で一位になりたいの。そのために協力してほしい!!」


 一位になりたいか。

 その野望は結構。

 だが、協力か〜!!

 ん…?


 協力ってことは一位になるまでやるんだろ?

 …………。


「それってほぼ奴隷と同じじゃね?

「ヒュ〜…ヒュ〜……」


 誤魔化すように口笛…?を吹く女。


「いいじゃん!!なんでも言うこと聞くっていう罰ゲームじゃん!!!!」


 そして開き直る。

 ほんと、いい性格してるね〜


 でも、そうだな……

 利用できるかもしれない。


 最悪、使えないなら捨てればいい。

 俺が約束を守る義理もないしな。


「分かった。協力しよう」

「そう来なくっちゃ!!」


 決まったのはいいものの…

 協力って何するんだ…?


 結局はこいつ自身が強くならないと意味がない。

 それに一位ってなると、この学校最強だ。


 協力して一位になったところで意味がない気がするんだが…

 いや、協力ってほざいてる時点でお察しか。


 ま、利用するだけ利用させてもらおうかな。


 だが、この時蓮は気付かなかった。


「ふふふ…」


 どこか不気味な笑みを浮かべる明里に……





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