霧の都のヘブンズテイカー　〜残され人と天国への案内人〜

十九世紀末、イギリス。科学が全盛となったこの時代に矛盾するように《残され人》は存在していた。いつもと変わらぬ顔で街の中を歩き、食事をし、親しい友人と談笑する彼らは自分たちが死んでしまっていることに気が付いていない。
しかし、生きている人間と死んだ人間は共存することはできない。世界の規律を守るヴァチカンの教皇庁は《残され人》の魂を救済するため、各地に《天国への案内人》を派遣した。
キョウジ・ロクセットもそんな《天国への案内人》の一人だ。キョウジは本人も気が付いていない《残され人》を探し出し、相棒である契約天使のセラとその魂を天国へと送っている。
キョウジは、旅に出たドクター、引退したボクサー、ホワイトチャペルの娼婦など、様々な《残され人》が抱えている想いに触れながら、その魂を送るための手立てを探していく。