第23話
高笑いを浮かべ、『これからは僕の楽隠居生活だー』と楽しそうに語っているロニア。
「……嫌、だよ?」
だがしかし、その傍らに立つ少女。
ミリオネ・アルタイルの思惑はロニアと真っ向からぶつかり合っていた。
「閉ざされた私の世界は溶け、新たな世界が開けた……そして、ロニアももっと上で輝ける。この世界の頂点に立つことさえも不可能じゃない」
ミリオネは自分の部屋で一人、ぶつぶつと独り言を漏らす。
「たとえ嫌々であったとしても好きな人が輝いているところを私はその横で見ていたいの……ふふふ。許してね?」
ミリオネは内心の野心を隠すことなく獰猛な笑みを浮かべるのだった。
■■■■■
北方の幼き女傑が牙を研ぎ澄ます最中。
南方の大国であるローレシア王国に住まう幼き女傑もまた、彼女と同様にその牙でもって覇を唱えんとしていた。
「ふふふ。既に時は満ち、ロニアと私の名は世界の全土に広がった。帝国の息の根を止めることなど容易い……ふふふ。約束を果たす時が来た」
未だロニアが一歳になったばかりの頃。
転生者であるがゆえにしっかりと意識ありながらもまぁ、こんな約束忘れるだろうと安請け合いしたあまりにも幼すぎるときに交わした約束。
「ロニア……一緒に世界を支配し、二人で一生楽しく安全に暮らそうね」
マキナはロニアと交わした未だ彼が一歳の時の約束の達成を掲げ、愛おしそうにつぶやくのであった。
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