第7話

 懲役七年を明けてからの大舞台。

 ここに来るまで様々な苦難があったが……もう大聖堂での大イベントが終わればもうあとは自由よ。

 まぁ、王族としての責務やらなんやらで色々あるし、これかもパーティーやらなんやらでかなり忙しくはなるだろうが……それでも数か月間は家族以外の人間との交流に慣れるまでの時間ということでパーティーなどは組まれず、暇で自由な時間となる。


「ふぇぇー!!!」


 自由。

 何もなかったあのただ広い部屋から抜け出して王宮の方へと拠点を移した僕は朝。

 早速とある場所を向かって歩いていた。


「おはようございます、ロニア様」


「うむ」


 多くの使用人が行き交い、そのすべての人が廊下を歩く僕へと恭しく頭を下げてくる……反応が得られるって実にいいね!

 これまでは挨拶どころか会釈すらなかったからね。

 会釈だけではなく、声までもかけてくれるのはなんか、こう嬉しい。


「ふんふんふーん」


 そんなこんなでまずやってきたのは図書室……ここが僕の目的地であり、ずっと来たかったところである。

 情報収集からやっていくべきだよねー、まずは。

 知りたいことなどいくらでもある。

 この世界に関すること、魔法に関すること……本当にいくらでも、だ。


「お邪魔しますっと」


 既に父上から王宮内を自由に散策する権利を得ている。

 僕を邪魔出来るものなど誰もいない。

 図書室へとやってきた僕は意気揚々と本を手に取るのだった……この国の歴史と世界の簡単な概要と世界情勢、魔法に関する本はマストかなぁー。


 ■■■■■


 図書室にやってきて多くの本を手に取って読み進めていく僕は。


「うにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああ!!!」

 

 ある程度の調べ物を終えた段階で本を投げだして大きな声を上げる。


「異世界転生の中でも……中でも、ゲーム転生ッ」

 

 嘘だと思って、幾度も幾度も調べなおしたが……これほどの一致度であれば間違いない。

 というか間違えようがない。


「ましてやこのゲームかよぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

 この七年間、隔離されていたせいで世界の情報が知れず、気づくのに遅れたが、どうやらここは僕がやっていたゲーム『グリザイユの世界』の中であるようだった。

 

 

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