第4話
ちゃんと様々な仕事をこなし、しっかりとアルタイル王国並びにローレシア王国に貢献している僕であるが。
「ふんふんふーん」
基本的にはアルタイル王国でのスローライフを満喫していた。
「せいや!」
日本人としては外すことの出来ない温泉に、海に面していることから簡単に採取することが出来る海産物。
穏やかとは言えない気温も魔法でカバーできる……日本人がスローライフする上でアルタイル王国以上の国は存在しないだろう。
米がないことだけが不満であるが……その米の代わりとしては酒がある。
「……日本酒作りたいなぁ」
僕は自分が飲んだこともない日本酒へと思いを馳せながらお皿にさっき、自分で釣ってきた魚を捌き、刺身へと変えたそれをお皿に盛りつけていく。
「風呂上りはこれで決まりだよねぇ」
自分の部屋で捌いた刺身と常にストックしてある酒を持った僕は椅子の方に腰掛け、テーブルに
風呂上り。
刺身を肴にお酒をぐいっと……これが実に良いのである。
……え?未成年なのに酒を飲んで良いのか、って?
別に禁止する法律なんてないし、この世界の人間は全員頑丈なつくりであるため大した問題もないだろう。
というか、そもそも前世の話として酒が脳に対して影響があるというのであれば、もっと世代間によって知能格差があっても良いだろう。
ドクターペッパーを毎日三本呑んでも長生きできるのだ。
人生百年なんて要らないから好きなものを食べ、好きなものを飲ませろ……酒なんかよりもよっぽどトラックの方が凶悪だぁ。
「……っごく」
そんなことを考えながらひとりで晩酌していると、僕の部屋へと焦った様子のミリオネが入りこんでくる。
「どうしたの?」
「て、帝国の……ッ!」
「ん?」
「帝国の外交官が今すぐにロニアを出して会談の場を設けろと、こちらに要請を出してきているの!急いで着て頂戴!」
「……えっ?今から?」
ミリオネの発言を聞いた僕は素で疑問の声をこぼす。
今の時刻を何時だと思っているのか……既に夜も更けている時刻だぞ?
「今からよ」
「……何かの冗談ではなく?」
「大真面目よ」
「えぇ……」
僕ってば既に結構お酒回っているんですけどぉ……。
「今、行くよ」
不平不満を溜めながら僕はゆっくりと立ち上がるのだった。
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