第24話
レアンドリュー帝国から巻き上げたものは多岐に渡る。
金銭から資源、技術書に戦略戦術、武器の数々から果てには型落ちの戦艦まで。
本当に様々なものを巻き上げた。
それ自体は本当にありがたいのだが、問題はそれらの管理……書類仕事から管理のための予算設定。
戦艦などは改修作業も必要となってくるので、本当に色々と仕事が増える。
金銭面はレアンドリュー帝国から二度に渡って巻き上げているのでなんとかなるんだけど。
「……ふぅー」
本格的にちょっと他の文官の教育に着手する必要があるのかもしれない。
「こんなん絶対に一人でやるもんじゃない。確実に一人じゃない……こんなの僕だけでやっていたら過労死する。無理。本当に無理ゲー。意味がわからない。本当にどうなっているのだろうか……他の人。有能な人は一体どこにいるの……?」
確実に一人でこなす量ではない仕事量を魔法も駆使しながらなんとかこなす僕は冷や汗を垂らしながらそんなことを考える……ローレシア王国から引き抜いてこようかな?
「ロニア様ッ!」
そんなことまで考えだした僕の部屋の扉を勢いよく開け、部屋の中に転がり込んでくる一人の文官。
そんな彼は酷く慌てた様子だ。
「どうしたの?」
イレギュラー的に発生した仕事はすべて僕に押し付け、日々の通常業務だけを行っているこの国の文官が何に焦っているんだ?
あの人たちが忙しそうにしているのも動揺したりしているところも見たことない。
「ろ、ローレシア王国のマキナ第一王女殿下が我が国へと来国!多数の人材と共に訪れ、この国で登用するよう要求しておられます!」
「はぁ?」
僕は大慌てで告げる文官の言葉にため息とも疑問の声とも驚嘆の声とも捉えられるような言葉を漏らしたのだった。
「え?待って……何それ、本当に何それ?」
お姉さまがアルタイル王国に……?わざわざ何のために?待って?本当に待って?ものすごく嫌な予感しかしない。
こういう時のお姉さまはたいていロクなことをしないのだ。
もう経験則でわかる。
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