第2話

 僕がトラックに轢かれ、異世界の方へと転生してきてから早いことでももう五年余りの月日が流れようとしていた。


「……ふわぁ」

 

 最初は彼女が出来てこれから本当の高校生生活が始まるぞ!っていうところで死んでしまい、悲嘆にくれていたのだが、五年も経てばそんなことも忘れて異世界生活を普通に満喫していた。


 僕が転生した先の家はどうやら異世界の貴族家。

 そこそこ裕福そうであり、既に僕も数多くの使用人の姿を見ている……これで貧乏ということはないだろう。

 異世界の平民家とかなら絶望するが、貴族家ならまだマシだ。

 文明レベルは物足りないが、生まれながらの勝ち組一家であればまだ許せるというもの。


「むふふ」


 それに、この体の僕には数多くの役得が存在する。 

 これもまたこの異世界に来て良かったことの一つだ。

 

 その一礼を上げるのだとするならば……まず一つとして授乳。

 今世における僕の若くて美人な母親のおっぱいにしゃぶりつき、天女のしずくを頂けること。

 これがまず一つの役得である。

 

 今更になっておっぱいへと吸い付くのは恥ずかしいという良識ある大人な方もいるかもしれないが、僕は自身のプライドよりも性欲を優先する男。

 普通に若くて美人な女性のおっぱいが吸えるなどご褒美でしかない……とはいえ、もう五歳となった僕は普通におっぱいは当の昔に卒業しており、それがかなり寂しいのだが。


「ロニアーッ!!!」

 

 そんなふしだらなことを考えながら、両親より課せられた課題を適当にこなしていた僕の元に一人の少女がやってくる。


 あー、来た来た。

 もう一つの役得が。


「……お姉さま」

 

「そうですわー!ロニアの大好きなお姉さまよ!」

 

 自分の姉。

 自分よりも三歳年上であり、僕のことを溺愛してくれるブラコン気味の姉の訪問を受けて席から立ち上がった僕。


「ぎゅー!!!」


 そんな僕へとお姉ちゃんは躊躇なく抱き着いてくる。

 

「ふひひ」

 

 実に可愛らしい女の子に抱き着かれた僕は……その匂いと柔らかさに包まれ、笑みを漏らしながら自分の姉を抱き返すのだった。

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