第11話
己は一騎当千の強者共の一人である。
「も、もうそんな強いんだ……」
そう断言する僕を前にミリオネアが若干ドン引きの声を織り交ぜながら言葉を漏らす。
「まぁ、僕は早咲きの天才だからねぇ。そんなことよりだよ。話戻すけど大事なのは一騎当千の強者共をどう使うか……それが大国にとって最優先であり、逆に言うとその他のことは結構おざなりなんだよねぇ、通常戦力の扱い方とかあんま帝国も王国も熱心に研究していないし、その実力に差は無いと思うから……問題ないかなぁ」
「私としては別の疑問が出てきたのだけど……一騎当千の強者共が戦場を決めるのであれば通常戦力なんて必要なの?」
「そんな単純な話じゃないんだよ。結局のところ数は力だからね。占領した場所の治安維持から進軍、戦闘。切り札にも切りどころがあるし、通常戦力も大事。特に一騎当千の強者共なんて帝国でもそんな数居ないだろうしね」
釣り出し、消耗戦、時間稼ぎ。
一騎当千の強者相手でも通常戦力が役に立つことは全然ある。
「……なるほど」
ミリオネは僕の言葉にゆっくりと頷く。
「ちなみにだけど、帝国とうちの国が戦争になったとき、ロニアはどれだけ止められる?」
「一対一の前提条件が全面戦争であるなら無理。皇帝が亡くなり、喪に帰しているような状況ならばよゆー、一対複数ならびみょー、って感じかな?とりあえず皇帝が亡くなること前提だが、しばらくは安泰よ」
「それなら良かった……よく考えてみれば一騎当千の強者共であればその国でも将軍クラスだろうしね、葬儀には出ないといけないのか」
「そーゆこと。他国から攻められるならともかく、自分から攻めてくることは無いと思うよ」
ここは断言しても問題ないだろう。
レアンドリュー帝国において、現在の皇帝はまさに絶対にして至高の御方なのだ。
そんな存在の葬式に出ないなんてことはないだろう。
「だからとりあえずしばらくの間はレアンドリュー帝国から奪った金銭……ついでに資材を利用して内政タイムを満喫していいと思うよ」
あまり世界に対して干渉する気はないが、これより先の世界はかなり荒れることが予想される。
少しくらいは国力をつけておくべきだろう。
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