第20話
六大将軍の一角であったロベルタを二人がかりで撃破したロニアとマキアはそのままレアンドリュー帝国の帝都にまで赴いていた。
「何奴ッ!」
「他国の王族の顔くらい覚えておいて欲しいよね?」
黒い布に覆われた何かを背負って帝都に存在する巨大な帝城へとやってきた僕とマキナは今、帝城へと入るための門を守る門番に制止されていた。
「……王族だと?」
僕を門の前で止める二人の門番のうちの一人が疑問の声をあげる。
「あぁ、そうだとも。僕はロニア・ローレシア」
「私はマキナ・ローレシアですわ!」
僕とマキナは揃って同じ性を名乗り上げる……とある大国の王族を指し示すその名を。
「「……ッ!?」」
「アルタイル王国へとやってきていたそちらの将軍を葬り……されど、歴史に残る強大な英雄をぞんざいな扱いには出来ぬと判断し、こちらへと引き渡しに来させてもらったよ」
僕は己の名を聞いて驚愕する二人の門番に対して後ろに背負っていたものを覆い隠していた黒い布をはぎ取り、その中にあったモノ。
ロベルタの遺体を門番の二人にあらわにする。
「ろ、ロベルタ将軍閣下ッ!?」
「ば、馬鹿なッ!!!!!」
瞳を閉じ、黄金の輝きを失っているロベルタを見た門番の二人は驚愕の声を上げ、体を動揺に震わせる。
「ろ、ロベルタ様だって……?」
「キャァァァァァァアアアアアアアアアアアア!!!」
「う、嘘だ……」
「あの俺の子供ほどの二人がロベルタ様を……?」
「あれは本当に……?」
その声は周りにいた帝国の民たちにも届き、動揺と困惑の声が広がっていく。
「偉大なる英雄にして過去の存在たる『黄金騎士』ロベルタを打ち破りし僕からからの要求はただ一つ。レアンドリュー帝国とアルタイル王国との間で勃発した戦争の終結のみ!さぁ!ローレシア王国の第二王子にしてアルタイル王国が長女、ミリオネ・アルタイルの婚約者であるロニア・ローレシアは貴国との会談を望む!」
「うちの弟を軽んじるなんてこの私が許しませんわー!」
帝都のど真ん中で僕は声高に会談の要求を告げるのだった。
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