袈裟と鱗と刀の奇譚

〜〜　８月２８日完結　〜〜

天明から寛政へ元号が改まったころ。
尼僧の辰（シン）は、800年前に人魚の鱗を飲まされたことで不老不死になった。
望まずに死ねない辰は過酷な人生に厭気がさしていた。
ある日、辰のもとへ腐れ縁の呪術師があらわれる。そして辰に「不老不死を捨てる方法がある」と持ちかけてくる。誘いにのって出向いた先で見たものは、自分が飲んだ鱗と同じ色の鱗をした人魚だった。

〜　登場人物　〜
・辰（シン）
女性。尼僧。820歳。僧侶としての名前は《顕龍院》で通す。嫁入り前に病に倒れるが、親が人魚からもらった鱗で『死なない体』を手に入れる。命を狙われたり、荒んだ生活が長かったため剣の心得がある。辰（たつ）年生まれ。

・翠姫（すいひめ）
女性。人魚。20歳ぐらいに見えるが、正確な年齢は不…続きを読む