REI………WA… (新元号 “令和” 記念作品 ※リメイク版)

Light-Kawabata

P.1 REI………WA…

「 また………

  遊びに来てくれたのかい…? 」



   ………こうして、

  “人” と話すのは………

  いつぐらい振りだろう………。


   僕は、そう思っていた…………



  ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



   僕の名前は、棚橋実…………


  24歳のフリーター、いや……


  …………………無職。



   心療内科の先生が言うに、僕は…

  “対人恐怖症” という病気らしい。


  人が怖いというよりも、ムカつく。


   ああ言えば、こう言われ………

  こう言いかえせば、また………

  ああだこうだ言われる………。


   人は物事を…………

  自分の都合のいいように………


  ……………正当化する生き物だ。


  その……… 人が造り上げた………


  ”正当化” を塗り変える程の正当化……


  …………それは、僕にはムリだ。


   早い話、僕は……………


  …………誰とも喋りたくないのだ。



   僕は、そういった事由で……

  仕事がいつも長続きしなかったのだ。



   ピザ屋のバイトを辞めてから、

  もうすぐ一ヶ月が経とうとしていた。


   僕は…………………



 ( しかし、この…………


   潮ハイツ…………ってのは、

   静かなアパートだよな…………


   全室埋まってるらしいけど………

   人が出入りしてるところなんて、


   今まで見た事がない………。


   ……………まぁ、

   今の俺にとっちゃ…………


   うってつけの場所………だな。


   誰にも会いたくないんだから……



   ………………でも、


   いつまでもこんな生活………


   していられない…………よな。


   分かってる………………


   俺だって、分かってはいるけど……

   体が言う事を聞いてくれない……。



   …………んぁっ、くそっ!!


   ダメだ、ダメだっっっ………

   そんな事を言ってたら…………


   いつまで経っても、俺はっ…… )



    そう思い、約一ヶ月ぶりに……

   外へ出ようと試みるのだった。

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