P.31


 ( いや、ちょっと待てよ………

   その時たまたま………


   帰って来てたのかも知れないし… )



   そんな事を思っていると………



 「 お父さんが “おかしな事” を……

   言うからね、れい…………



  《 お父さんっ、何言ってるの?

    チーちゃんはっ………


    ここにいるじゃないっ…??


    それに…………

    今日は、れい…………

    ずぅ~~~っと、ずっとっ……


    チーちゃんと遊んでたよ? 》



   ……………って、

   そう言ったの………………


   そしたらね、お父さん………

   すごく怖い顔になってね………


   ………れいの事を怒鳴ったの。



  《 どういう事だ、それは…!?

    う、嘘をつくんじゃないっ!!


    そ、そんなデタラな事を……

    ………言うような子は、

    金輪際………………


    お友達とは遊んじゃダメだ!!


    それとっ、外で遊ぶのもっ……

    禁止だからなっ…!!!


    分かったな! れいっ…!! 》



   ……………って。


   れい…………………

   ウソなんてついてないのに………

   本当の事を言っただけなのに… 」



 「 チ、チ…………

   チーちゃんが目の前にいるのに……


   れいちゃんのお父さんは………

   ど、どうして…………


   そんな事を言ったんだろうね? 」



 「 分からない…………

   だから、おかしいなぁ…って。 」



    この時、僕は思った。

   『チーちゃん』 は、やはり………

   “アレ” ………だと。


   考えたくはないが、状況的に……

   そう考えざるを得ない………


   チーちゃんは、おそらく………


   ……………… 『幽霊』 …だ。

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