P.37


 「 うぉぉぉーーーーーっ!! 」



    れいには、悪いと思った。

   だが、僕は既に………

   “クソオヤジ” の顔面目掛けて…


   ………殴りかかっていた。



 「 あぁっ!! み、みのりんっ……

   や、やめてぇ~~~っ!! 」



    れいが大声で叫んだ………

   次の瞬間…………



 〈      スルッ…!     〉



    僕の 『拳』 は…………

   “クソオヤジ” の頬をすり抜けた。



 ( え、えっ…!!?


   な、な、なんだコレ…………


   ま、待て待て待て待て待て………

   い、意味分からん…!!? )



    ここ数日間、

   僕の身の周りで起こる事全てが…

   おかしい……………


   しかも、今の “すり抜け” は……


   パニクり度………MAXだった。


    僕が、頭を抱えた………

   その時…………



 「 み、みのりんっ………

   そんな事できるのぉ~っ!?

   すごぉ~~~いっ!!


   壁とかっ、ドアとかもっ………

   できるのっっっ…!? 」



    そんな、れいの言葉に………

   “僕も” 眉をひそめた。


   そして………………



 「 ド、ドア……………

   ま、ま、まっさかぁ……… 」



    僕は、恐る恐る………

   “101号室” のドアノブに……

   手を掛けた…………


   が、その時だった…………



 〈      スルッ…!     〉



    すり抜けてしまった………。



 ( な”っ…!!?

   な…… なんだコリャァァァ……


   も、も、もしかして……… )



    僕は、そのまま…………

   スゥ~………っと、

   ドアをすり抜けでみた。



 〈    スゥ~…………    〉



    難無く、成功。

   ドアをすり抜け…………

   家の中に入ってしまったのである。


   僕は、その場で…………

   ………フリーズしてしまった。

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