P.46


 「 …………私は、

  “れい” に言われるがままに………

   行動しただけです…………


   私が助けた………とは、

   到底言えません……………。


   礼を言うなら……………

   『娘』 に言ってやって下さい… 」



 「 ……………、

   ば、万司さん…………… 」



    その “口振り” に、僕は……

   万司さんの 『心の変化』 を……


   …………察していた。



 「 ………………棚橋くん、

   私は………………………


   ここにいる…………

   娘の “れい” から…………


   …………全て聞きました。


   れいは、今まで、ずっと………

   キミではない 『キミ』 と……


   話していた…………と。


   これは……………

   科学では解明されない………


   そして、常識では…………

   決して考えられない事です………



   ………………ですが、

   私は “この出来事” で…………



   れいには、やはり…………


   『特別な力』 が、あるのだと……

   知らしめられたんです………。


   ………………………、


   あれは…………

   “2年前の夏” の事でした…… 」



    万司さんは、そう言って……

   僕に “知られざる過去” を……


   語り始めるのだった………。

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