第2話

雷さんは、なにやら冷蔵庫をあさっている。もてなしの精神がある人だ。缶ビールを持ってきた。


「雷さん、ビールは飲めないです」


「嫌い?」


「まだ未成年です」


「へー!そーなの?じゃあジュースないから、水でいい?」


「ありがとうございます」


昼間からビールなんだ。ワイルド。俺には、コップに入れた水をくれた。ちゃぶ台を挟んで話すわけでなく、隣に雷さんは座ってきた。


「雷さんは、姉とどこで知り合ったんですか?」


「んーと、風俗?」


「雷さんはそういうところ、よく行きますか?」


「行かないよ?友達に連れてかれて」


「それで、姉に気に入られたんですか?」


「うん」


迷惑なやつだ。


「姉は風俗を嫌がってました。雷さんはどうやって気に入られたんですか?」


「お話ししたら」


「へぇ。なんか、いつも偉そうにしてて、雷さんを傷つけてないか不安です」


「雪乃ちゃん優しいよ。他の人はいじわるするけど」


「なぜ?」


「バカだし」


「そうですか?」


「雪見くんはちゃんと学校も行ってるでしょ?俺はねー座ってられないんだよ?高校辞めたし」


「俺も行ってないですよ。捕まってたし」


「そうなの?」

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