第35話

「雪見、私はタクシーで帰るよ」


「お疲れ様です」


俺は金がないため歩き。今日は、ちょっと大変だったけど、俺って体力あるー!住職は俺にしかできないって言ったけど、そんなことはなさそう。ただ、やってみろってことだろうな。


てゆーか、こんな街中に来たはじめて。都会だなー


なんか地下に吸い込まれていく人たちがいる。ここ、なんの店?


「あ!雪見くんだ!」


「あ!雷さん」


深夜1時に会うとは。


「雷さん、なにしてるんですか?」


「俺お仕事なんだよー?ここ」


「仕事?なんですか?」


「ライブハウス!」


へー、すげー


「雪見くん、なにしてんの?おでかけ?」


「いえ、仕事です」


「あー!キャバクラかぁ」


「はい」


よく覚えてくれてる。嬉しい


「ねぇねぇ、雪見くん。一緒に帰ろ?」


「はい」


あの家かな?


「雷さん、ライブハウスってなにするんですか?」


「歌」


「へー。雷さんも歌?」


「ううん。受付でー飲み物あげる」


「…あぁ、俺もそんな感じです」


雑用か。なんか雷さんには合わないなぁ。


「ところで、以前話したお姉さんは元気にしてます?」


「紗絵ちゃんね、今喧嘩してる」

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