第36話

「喧嘩?」


悟流さとると」


「雷さんは最近会いましたか?」


「ううん。ずっと会ってないよ。会社ももう来なくていいって言われたー」


「そうですか…」


住職が言うには、自分に少しは返っているかもということだった。死にはしないけど。しかし長いというのは?

もしかして、俺がどうこうするまえに、すでに返ってたのか?雷さんはプラスのイメージが強いから。


「雪見くん、雪見くん」


「あ…すみません、ぼーっとして」


「入りなよ」


いつの間にか家についてるし。


「雪乃は?」


部屋は真っ暗だけど。


「たぶん寝てるよ。だから飲もう!」


「酒は飲めないです」


「大丈夫!雪見くんのためにジュース買ったからね」


雷さんは暗闇の中、歩いてく。

電気つけよ。


「あ」


雪乃は机に突っ伏して寝てたようだ。起きた。


「ちょ、ちょっとなんで雪見が!?」


うぜー。


「あ、雪乃ちゃんも一緒におしゃべりしよーよ!」


「雷くん…雪見なんて追い出そう。もう遅いし寝よう」


「ちょっとだけ!ジュースあげたい」


「…もう、雪見さっさと帰ってよね」


雪乃はねぼけつつ隣の部屋に移動した。あいつ着替えないのかよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る