第42話

雪乃と違い、俺を悪者だと完全に思い込んでいた。聞く耳を持たないんだ。


はぁ、これでは俺のやったこと意味なくなりそう。


「おい雪見」


「あー?隼人」


「なにしてんの、帰ったんだろ?」


「兄を送ってた」


「お前大変な兄だな。自由度マックス!兄貴の知り合いだから軽くあしらわれてたけどよ」


「雷さんはいい人だよ。捕まってたって知ってたのに、普通に優しいし」


「へぇ。まじかよ。で?お前の姉はどんなんなんだ?」


「え?姉は…ブスだけど」


「雪見!こら!なにしてるの!雷くんどこよ」


うわー、なんでここにいる?


「これ、姉」


「あ…はじめまして…」


隼人が見てる。ほら見てみろブスだろ。


「…ちょっと!雷くんどこよ!」


完全無視だ。


「実家にいるよ」


「はぁーー!?なんでそうなるのよ!もう寝る!」


雪乃うるせー

あいつ、寝巻きのスウェットで外出るなよな。だせぇから。


「お前、姉すげぇかわいいじゃん!巨乳すぎ!」


「あんなの全然意味ない」


「なんだよそれ。美人だなぁおい」


「勘違いだって。とにかくうるせーからあいつ。雪乃は嫌われてて友達いないし」


「えー、まじ?」


「いたことないし。性格悪い。でー隼人、俺道に迷ってる」


「バカかよ」


「寺どっち?」


「はー?まだこっから先だろが。お前道くらい覚えろよ」


と、言いつつ案内してくれんだよなぁ。

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