第41話

「ただいまー紗絵ちゃーん」


「…雷?…誰その人」


どこかの部屋の扉を開けると。誰かむくりと起きた。これが…姉。


「雪乃ちゃんの弟の、雪見くんだよー!俺の弟だよー!かわいいでしょー?」


腕を回されて紹介とか、なんかすげぇかわいがられてる気がする。


「…え?ちょっと…どういうこと?」


ぱっと起きてきて、雷さんだけ部屋に引っ張り入れられた。


「あなたまだ執行猶予中の犯罪者でしょ?雷から、お金巻き上げるの?」


寝起きの人にこうも言われるとは。


「そんなこと、してません」


「はぁ…だから嫌だったのよね。なにもわからなそうな雷にお金をたかろうって?信じられない。うちに関わらないでくれる?1人でひっそり生きたら?」


「話を、聞いてください」


「あなたの話なんてどうせ嘘だらけでしょう?犯罪してるんだからね」


「あの。それ以上はやめてください。あなた自身を傷つけます。では、さようなら」


はぁ、家出たけど、道わかんない。

雷さん来ないし…とりあえず歩くか。

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