第33話

「じゃあ、気をつけて」


「今から電車。もう帰るとこだし」


「そうなんだ、早いね」


「じゃ」


はー。隼人に連絡すんの忘れてた。


「雪見さん電車きましたよ」


悠人さんと乗車。切符買ってあった。


「奥様と話すときは、話し方が違うんですね?」


「そうですか?」


「はい。なんだか、ちょっと怖い人みたいですね」


それ、悠星さんだよ。


「気のせいです。お休みなさい」


「え、寝るんですか?」


「どこでも寝れます」


特にしゃべることなく、着いた。


「お金ありがとうございました。今度返します」


「いえ!大丈夫です。雪見さんが助けてくれたので…俺もっと、自信を持てるよう、蘭ちゃんのこと考えます」


「はぁ」


蘭ちゃんってなに?もしかして、犬とか…


「ありがとうございました」


丁寧に挨拶されて帰っていった。さて、歩いて帰るか。悠星さんに連絡してなかったや。


「悠人さん、無事です」


「…会えたか。よかった」


「ところで、彼女って犬かなんかですか?」


「ねーわ!ふざけすぎだからお前」


「ところで悠星さん、悠人さんの使う言葉丁寧ですよね。俺が普段のようにしゃべると怖いとか言われたんですけど」


「…そうなんだ。俺は普段英語でしゃべるからなぁ。…彼女の蘭ちゃんとか、周りの人は日本語結構丁寧なんだよな。悠人に優しくしてやれよ」


「悠星さんのほうが怖いし」


「は?お前ときどき敬語じゃないんですけど。それなんとかしろよ」


「気をつけてますって。じゃあ」


「お前いつも自分勝手!」

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