第48話

「雷くん、どうやって連れてきたの?」


「なんかいじわるされてたから。ジュース飲んで欲しいと思って」


「助けてもらいました。雷さん、とっても優しいですね。雪見さんが、よく言ってます」


「えー!そうなの?照れちゃうなー!雪見くん、素敵とか言うんだもん!」


「え、雷くんにそんなことを?いつ?」


「夢の中?」


「夢にまで…雷くん、私も夢に出てない?」


「うーん、雪見くんの夢はねー、なんかね、ほんとにしゃべってるみたいだった」


気になるなぁ。どういうことだろ?


「私、帰ります。雷さん、今日はありがとうございました」


「ううん!またねー」


雪見さん、公園いるかな?


いたー!おにぎりを食べてる!15時だけど。


「雪見さん」


「なに?今帰り?」


「あの、雷さんの夢に入ったんですか?」


「は?…会った?」


「うん!今日。詳しく教えて」


「ここ暑いし、家帰ろ」


修行は中断して、歩きながら話す。


「人の夢に入れるってこと?」


「違うよ。雷さん、忘れてるかと思ってた。心に入った感じかな…住職に手伝ってもらったけど、はじめてやったんだよ」


「そうなの?いつのまに?」


「ちょっと前だけど。成功したけど、まだ原因の人が近くにいて。それで会って話してみて、気持ちに揺らぎはなかった。嬉しかった」


「雪見さん、よかったね」


「うん」


「泣きそうになった?」


「え…なんで?そんなこと?」


「ううん。雷さんが言ってた」


「うわ、気付かれてた」


「また遊びに来てって」


「行くよ、雪乃のいないとき」


雪見さん嬉しそう。

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跡継ぎになってみた えいみ @fukuharaeimi

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