第28話

「悠人さんに話に来ました」


「え?」


「パートナーさんは帰ってもらいたいです。邪魔です」


「…なにこいつ」


「雪見さん、それはできないです。話なら後で…」


「じゃあ今話します。悠人さんこちらへ」


パートナーさんから離れたところへ移動する。パートナーさんは、あまり性格がいい人ではなさそう。こちらを睨んでる。


「夢を見ました」


「夢?」


「はい。悠人さんがトラに襲われる夢です。歯が食い込んで、大量出血で救急車で運ばれます」


「それ、夢ですよね」


「俺は、危険なことを知らせる夢を見ます。今までそういうことがいくつもあります。入院先で、1人寂しそうに泣いてました。自分の、能力が嫌いですか?」


「…そういうわけでは」


「自信を持ってください」


「そんな、簡単にできません」


「住職から学んだんですけど、女を作るといいですよ」


「なんですかそれ?」


「彼女いるんですよね?」


「はい」


「その彼女を思い浮かべたりしてみてください」


「それになんの関係が?」


「自分を認めてくれる存在がいることで、能力が安定しますよ」

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