第21話

「質問なんですが」


「いつでもかけてくるなよ!」


げー、悠星さんまた怒ってるし。


「急ぎです」


「は?」


「悠人さんが動物園で怪我します。どこの動物園かわかりますか?」


「…いや。知らない」


「えー、困ります!入院するんです」


「…それは夢?」


「はい」


「うーん、そっちに行けたらいいけど…管轄外だし」


「夢では金髪の女の人といました」


「それはパートナー」


「彼女?」


「違う。仕事仲間。彼女は別にいる」


「へー、そうなんですねぇ。どうやって探せばいいですか?」


「…そうだな。空港に行って待つとか」


「え!もうそっちいないんですか?」


「いないよ。しばらく出張って言って出て行ったよ」


「あー。悠星さんは日本にいる息子さんの気配まではわからないんですね」


「わかるわけない。そのへんじゃないと」


「へー」


「雪見はもうちょっと夢に意識を凝らしてみたら?」


「…そうですよね。でも、めちゃくちゃ痛いんですよ。もう3回くらい同じもの…いや、ちょっと変わってきてますけど見てます。流血すごいんです」


「それ雪見じゃないのに」


「見てたら痛いんです。だから近くに動物園あったら行こうかなって」


「…まあ、俺にはなにもできない」


「住職は悠星さんが知ってるって」


「知らん」


「はぁー。わかりました」


まじかよー。夢何回見るんだよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る